内容説明
「存在論」とは、何かが「ある」とはどういうことかを考える哲学の一大分野である。起源は古代に遡るが、現代では、ある事実が成立するためには何が存在し、存在するもの同士はどのような関係にあるかを問題にする。具体的にはあらゆる事象の前提、すなわち世界がよって立つ基礎を考察している。私たちの「当たり前」を問い直すことで、日常は違った相貌を現す。哲学の最前線を体感するスリリングな講義。
目次
序論 日常世界を哲学する
第1章 ハラスメントはいかに「ある」か?―「社会的事実」を考える
第2章 「空気」とは何か?―「社会規範」の分析
第3章 集団に「心」はあるのか?―全体論的アプローチ
第4章 時計は実在するのか?―「人工物」のリアリティーについて
第5章 サービスの存在論―私たちが売買する時空的対象
第6章 キャラクターの存在と同一性―「人工物説」の立場から
著者等紹介
倉田剛[クラタツヨシ]
1970年生まれ。九州大学大学院人文科学研究院准教授。慶應義塾大学文学部卒。パリ大学第12校DEA課程を経て、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門はオーストリア哲学、分析形而上学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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