出版社内容情報
中島美鈴[ナカシマ ミスズ]
著・文・その他
内容説明
ADHD(注意欠如・多動症)とは、先天的な発達障害のひとつ。「不注意」「多動性」「衝動性」の特性を持つADHDは、これまで子どもの発達障害というイメージでとらえられてきた。しかし、最近の研究で、大人になってもADHDの症状が残ることがわかってきている。片づけができない、なくし物や忘れ物が多い、いつも時間ギリギリになってしまう、じっとしていることができない、後先を考えずに行動してしまう…といったように、ADHDの影響が日々の生活に及ぼす「困りごと」にどう対処すればいいのか。最新の研究成果も交えながら、実践できる認知行動療法のエッセンスを伝える。
目次
第1章 ADHDの症状
第2章 ADHDの原因
第3章 ADHDの診断と治療
第4章 うまくいかない原因を知る
第5章 困りごとに認知行動療法で対処する
第6章 周囲の人ができること
著者等紹介
中島美鈴[ナカシマミスズ]
1978年福岡県生まれ。臨床心理士。専門は認知行動療法。2001年、広島大学大学院教育学研究科修了。肥前精神医療センター、東京大学大学院総合文化研究科、福岡大学人文学部などの勤務を経て、現在は九州大学大学院人間環境学府博士後期課程に在学中。福岡保護観察所などで薬物依存や性犯罪加害者の集団認知行動療法のスーパーヴァイザーを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よむよむ
52
子どもの発達関係の本を読み漁るうちに、あれっ?と思うことがしばしばあり、恐る恐る手にした本書だったが〜目安の12項目中8つも当てはまるってさすがにびっくりしたわ。とか言って、片付かない理由にしちゃったりしてね〜 時間管理や忘れない工夫は独自に実施済中ですが、まだまだ改善の必要な部分があることに気づきました。私のとんでもない失敗をいつも笑い飛ばしてくれる同僚たちに感謝です!『診断を受けていない人で障害とまではいえなくても、自分の行動の傾向を把握することは、最も効果的な工夫を探すためにも役立ちます。』2018/11/07
太田青磁
19
まめに連絡を取り合うことや、安定した情緒を維持することは難しく、人間関係を持続させることは苦手です・自分が興味を持ったもの以外、繰り返しと正確さが要求される物事が苦手です・自己コントロールを掌る前頭葉の活動が低い・すぐ報酬につながらないとやる気を維持できない・「普通」になることを目指さない・一時的に苦手なものを先延ばしすると、その苦手意識や恐怖は余計に大きくなる・最初の一歩の課題を驚くほど簡単なものに、すぐ終わるものにする・バーチカルタイプの手帳を使う・大きな箱を用意して大事な書類は何でも入れる2019/10/22
morinokazedayori
19
★★★★★やりたくないことの「先送り」、なくしものや忘れ物の「うっかりミス」など、ADHDの特性は程度の差こそあれ誰にでも起こりうる。様々なうまくいかないことへの対処法が、分かりやすく書かれている。2019/12/16
風地
15
ADHDの3つの特性=「抑制制御の障害(集中すべきことに集中できない)」「報酬遅延の障害(結果がすぐ手に入る報酬を好む)」「時間処理の障害(時間経過を感覚的につかむことが困難)」。なんとなく感じていた問題点が整理されて靄が晴れるようだ。ただ、周囲の人ができることとしては、親の立場では小さなこどもに対する対処法、その次は大人の当事者に対し、職場の上司ができる対処法が書かれるだけで、思春期から就職までの期間がすっぽり抜けていた。大人になって傾向に気づく人はかなり軽度なので、参考にならない記載も多かった。2023/08/26
ケー
15
ザ・新書!といった感じで前知識が全くなくてもスラスラと読み進められる。かつ学術的な研究もしつつ、実際に臨床経験もある方なので、どちらから見てもバランスが良い。面白かったです。2020/04/04