出版社内容情報
前田育男[マエダ イクオ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
28
筆者は自動車のマツダのデザイン責任者。マツダ車って、かっこいいなと思っていたので、その理由と謎が解ってなるほどなの一冊。悪天候で中止になった新車披露の会場が上野の国立博物館・法隆寺館だった由。そこは私の大好きな場所。共通するコンセプトがあったのですね。願わくば次は、イマイチの感(私が思っているだけですが…)のエンブレムを刷新したらと思いますね。2024/12/21
アキ
26
3代目RX-7はフォルムに一目ぼれしてかつて乗っていた車。その初代を担当したデザイナー前田又三郎の息子さんだそうだ。全く同じ職業を選ぶとは思っていなかったらしいが、「魂動」という言葉のもと日本の引き算の美学で世界トップレベルの車とチームを作り上げたのはすばらしい。振り返ると会社が傾きかけ、招聘した外国人デザイナーが去るときが大きく変えるチャンスだったんだろう。車だけでなく日本の伝統工芸とどんどんコラボして「日本の産業」を盛り上げて欲しい。これからは効率化・正確性・迅速さではなくビジョンの具象化が大事。2018/09/24
takam
17
Mazdaのデザインが2010年代に入ってから飛躍的にかっこよくなった。その立役者である前田氏の著作である。スローガンを掲げて、それに合うようにデザインを見直す。アイデンティティがどこにあるのか見直す必要がある点では非常に遠回りであるが、それが奏功して今のMazdaブランドの強さがある。デザインを見直すことが一見無駄に見える作業に感じることが今の日本企業の良くない点である。人間に寄り添うことはアートと強い関連がある。主観の問題なのである。それはコスト削減のような合理性を突き詰めるとは違うベクトルである。2020/03/22
幹事検定1級
16
今のマツダがだれが見てもどの車を見てもマツダを思われるようにマツダブランドを志向し今日まで育て上げたか経営側の思いを知ることができました。さらにマツダをマツダらしく成長させ世界で2%のシェアをずっと維持していくこの精神を是非、ファンの一人として切望します。ずっとマツダを乗り続けるために。(図書館本)2019/07/22
Aki
13
インダストリアルデザインだけでなく、組織を動かす力や、言葉の重要性などが印象に残った。独善とも捉えられかねない強烈なメッセージを放つ筆者だが、企業人として他部署との競争ではなく、共創を実現する過程など組織運営にも、まあ書ききれないような苦労をしてきたことが伺える。さらには日本の工業デザインの方向性にも思いは翔ける。好みは分かれると思うが熱い一冊。2018/11/18