内容説明
ルネサンスとは、一五世紀のイタリア・フィレンツェを中心に、古代ギリシャ・ローマ世界の秩序を規範として古典復興を目指した一大ムーブメントを指す。しかし、古代の文化が復興した理由、あるいは中世的世界観から脱する流れに至った理由を明確に答えることはできるだろうか。ルネサンスとは本来、何を意味し、なぜ始まり、なぜ終わったのか―。皇帝と教皇による「二重権力構造」をもち、圧倒的な存在として人々を支配していた中世キリスト教社会は、いかにして変革していったのか。美術との関係だけで語られることの多い「ルネサンスという現象」を社会構造の動きの中で読み解き、西洋史の舞台裏を歩く。
目次
第1章 十字軍と金融(地中海の覇者;“第三のパトロン”の登場;金融業の発達)
第2章 古代ローマの理想化(なぜ古代を理想視したのか;プロト・ルネサンス期における美術の変化)
第3章 もう一つの古代(ギリシャ文化の逆流;メディチ家の君臨;古代モチーフの「借用」と「消化」)
第4章 ルネサンス美術の本質(フィレンツェでの開花;空間を創出せよ!;多神教と一神教―ネオ・プラトニズム)
第5章 ルネサンスの終焉(ルネサンスの裏側;共和政の放棄と傭兵制の敗北;イタリアの斜陽とルネサンスの終わり)
第6章 ルネサンスの美術家三十選(フィリッポ・ブルネッレスキ;ドナテッロ ほか)
著者等紹介
池上英洋[イケガミヒデヒロ]
1967年広島県生まれ。國學院大学文学部准教授。東京芸術大学卒業、同大学院修士課程修了。海外での研究活動、恵泉女学園大学人文学部准教授を経て現職。専門はイタリアを中心とする西洋美術史・文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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