光文社新書<br> 風評被害―そのメカニズムを考える

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光文社新書
風評被害―そのメカニズムを考える

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  • サイズ 新書判/ページ数 210p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334036249
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C0236

内容説明

ウルリヒ・ベックというドイツの社会学者は『危険社会』という本で、富の分配が重要な課題であった産業社会の段階を超えて、科学技術によって作られる「危険」の分配が重要な課題となったと論じた。生命の危険を誰が負担するかという話である。それは必ずしも、物理的な危険性の話ではなく、経済的な危険も含んでいる。日本はそのリスクの負担を究極までに避けてきた。絶対の「安全」を追求していけば、少しでも危険といわれたものは避けようとする。根拠がなく、ある食品や商品、地域や日本ブランドそのものが「安全でない」と見なされて、経済的被害を引き起こす。それが「風評被害」である。

目次

第1章 風評被害とは何か
第2章 「放射能パニック」と風評被害
第3章 原子力事故と風評被害
第4章 メディア報道と風評被害
第5章 安全と風評被害
第6章 流通と風評被害
第7章 観光産業と風評被害
第8章 企業・金融・保険と風評被害
第9章 東日本大震災における「風評被害」と「うわさ」
第10章 東日本大震災後の日本が抱えるジレンマ
終章 風評被害にどう立ち向かうか

著者等紹介

関谷直也[セキヤナオヤ]
1975年新潟生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。東京大学大学院人文社会系研究科社会情報専門分野修士課程修了。東洋大学社会学部准教授。2007年日本災害情報学会学術貢献分野・廣井賞受賞。2009年日本広報学会賞優秀研究奨励賞・日本広告学会賞学術部門賞受賞。専門は災害情報・環境情報の社会心理、安全社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

井月 奎(いづき けい)

35
風評被害とは実質的な被害が無いにもかかわらず、経済的損害が起こることを指すそうだ。私が風評被害と思っていたものの中にはそうではないものも多く、きちんと見つめなければいけないなあ、と反省を促せてくれました。そのうえで思うのですが、漠然とした不安を取り除くためにただそれを避ける、と言う行為は自分に降りかかることを受領しなければならない。と言うことです。Aの食品が汚染されているという噂を聞いたから、買わない。というのは日本全土が放射能に汚染されているから避ける。と言うことと何ら変わりはないのです。2017/03/30

501

20
風評被害のメカニズムを報道、安全、流通といった視点から解説。事例紹介が大半を占める。対策といっても具体的な提案は難しいのか、対策を講じるページは最後におざなり程度。特に渦中にいる間、インパクトのある情報に流されたり、情報への不信に陥りやすいもの。一消費者にとって、本書で解説するメカニズムと事例を知れば、過剰な忌避行動を抑え、冷静に物事を分析し対応できるのでは、という点で風評被害を知るよい本。2015/07/25

リキヨシオ

17
風評被害=悪い噂による被害で、疑心暗鬼の連鎖といわれる。共通点は、1・経済的被害、2・事件や事故に災害など実際の被害、3・長期間にわたる集中した報道、4・上記3点を踏まえる本来安全とされる商品や土地の経済被害にある。誰もがメディアの影響を受けざるえない情報過多社会で、安全は所与するものと捉える安全社会でもある。事故後のネット情報やテレビ報道の長期間にわたる集中した報道により風評被害は健康被害の連鎖に繋がる。悪い噂が立った時点で風評被害から逃れられない。あと日本人は絶対的な安全を求めすぎる傾向が強い。2015/03/31

ふろんた

16
過去に起こった風評被害の事例が中心。発信元まで特定できた例として豊川信金取り付け騒ぎがあったが、高校生の他愛もない雑談が誤解され伝播したとは。ツイッターやSNSにちょろっと書き込むのも気をつけたいものです。対処法についてはあまり言及されてないのが物足りない。2014/11/01

おおかみ

11
第五福龍丸事件から東日本大震災まで、豊富な事例をもとに、風評被害の性質や要因を分析した本。著者の専門は災害情報・環境情報の社会心理、安全社会論であり、今回の大震災を契機に長年の研究成果をまとめたという。ゆえに、非常に丁寧な議論が展開されている。その勢いのまま風評被害対策や日本人の安全観などにも言及すればさらに面白かったが、紙幅の都合上できなかったとのことである。2011/08/17

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