内容説明
指輪、耳飾り、首飾り、腕飾りなどの日本のアクセサリー文化は、古代には豊かに存在していたにもかかわらず、奈良時代以降、歴史のなかで忽然と姿を消してしまった。その後、明治維新以降に復活するまで、千百年もの間、日本人はアクセサリーを身につけることがなかった。なぜ突然消滅したのか、なぜその消滅が長期にわたって続いたのか、そしてその現象が日本の、ひいては日本人のどの部分に根ざすものなのか。日本の考古学研究者の間でも、まだ本格的に解明されていないこの謎を、『指輪の文化史』などで知られる著者が、民俗学、考古学、歴史学、宗教学、社会学、図像学などさまざまな角度から解き明かす。
目次
序章 謎を解く鍵
第1章 豊かな古代のアクセサリー文化―縄文時代~古墳時代
第2章 消滅までの軌跡―飛鳥時代~奈良時代
第3章 宝玉信仰の残り火―奈良時代~平安時代前期
第4章 何がアクセサリーにとって代わったのか―平安時代~江戸時代
第5章 突然の復活―明治時代~現代
第6章 消えたヨーロッパのアクセサリーたち
第7章 生き残ったヨーロッパのアクセサリーたち
第8章 消滅の原因を考える
終章 三つの結論
著者等紹介
浜本隆志[ハマモトタカシ]
1944年香川県生まれ。現在、関西大学文学部教授。博士(文学)
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