内容説明
ゴム長靴を革靴に履き替えた青年漁師が、環境問題もブラックバスなどの外来魚の驚異も魚がいちばん知っている!と環境会議で語った。毎日の漁で見た現実が、名だたる学者、研究者たちの胸に響いた。何億匹かわからないほどに増殖し続けるブラックバスとブルーギル、そして新たな外来漁。一方で絶滅の危機に瀕している琵琶湖固有の魚たちという現実に向かい合いながら毎日何を思い漁を続けているのか?自然と共に生きる知恵と愉しみに溢れた本。
目次
第1章 われは湖の子、琵琶湖の漁師
第2章 漁師ハ雨ニモマケズ雪ニモマケズ
第3章 琵琶湖と魚が漁と人生を教えてくれた
第4章 ええかげんにせえ!ブラックバス、ブルーギル
第5章 こんな楽しみもあるから、漁師はやめられん
著者等紹介
戸田直弘[トダナオヒロ]
1961年滋賀県守山市生まれ。地元の中学卒業後、京都の大谷高校に進学、教師の道をめざす。20歳のとき、志を変え琵琶湖漁師に。’99年から滋賀県漁業協同組合連合青年会会長理事。ブラックバスなどの外来魚問題、琵琶湖の環境問題などで、学術会議、マスコミで積極的に発言、注目されている
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感想・レビュー
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マエダ
56
琵琶湖に漁師がいること自体知らなかった。琵琶湖への思いが伝わるいい本であったが、外来魚問題は世知辛い。琵琶湖に生きる人たちにとってどれほどのものなのだろうか、想像しただけでもゾッとする。2019/06/19
糜竺(びじく)
33
2002年1月20日発行本。琵琶湖は何度も見た事がありますが、ふと、そこでも漁が営まれていると言う事が気になり、どんな状況なのか、また、海での漁とは違うのかなど色々と知りたくなったので、読んで見る事にしました。琵琶湖でも色んな魚や貝がおり、正直、淡水魚はほとんど食べた事は無いですが、美味しい種類も幾つもあるようです。琵琶湖での漁の仕方や様子なども、色々と学ぶ事が出来ました。しかし、ブラックバスやブルーギルなどの外来魚も増えており、漁が大変になってきているのも事実なようです。読んでいて勉強になりました。2019/03/06
橋本 千春
3
タイトルにひかれて購入。現役の琵琶湖の漁師さんが、琵琶湖の魚、漁の方法、魚をめぐる食文化、外来魚問題などなどを語っている本。しゃべり口調で書かれていて、琵琶湖の豊かさや筆者の琵琶湖への愛がひしひしと伝わる一冊でした。2014/01/05
sigh
3
琵琶湖の漁師による、琵琶湖の魚たちとその漁法、それに食文化の本。本当に、食は文化だ。間違いなく。だが、外来種のせいで琵琶湖の食文化は危機的状況にある。小学校でブラックバスの問題については習った(確か理科)けれども、こんなに深刻な状況にあるとは知らなかった。駆除漁や駆除釣りは悲しいけれども、続けていかなければ琵琶湖を守れない。悪いのはバスでもギルでもなく、人間。だから、解決に向けて動かねばならない。積み上げられてきた経験知を率直に伝える著者の姿勢には、頭が下がる。2012/06/01
メガネ
3
まずびわ湖がバスフィッシングが認められた場所では本来ないことを知るべき。無責任にバスフィッシングの自由がどうこういう資格がそもそも我々にないことを肝に銘じ、先祖代々漁師として琵琶湖に向き合い、自然との調和を目指してきた人々の話を受け入れる姿勢を持たないと一向に解決しない問題であることを理解すべき。実名は出されていないが、漁師の講義をバスフィッシングへの圧力であると声高らかに宣言した芸能人がいることに憤る。他にも勉強になることが多々あるのだが、理不尽なことについつい目がいってしまい、文字数が…。(笑)2010/07/20