出版社内容情報
活字離れ、読書離れがいわれて久しい。理由の一つには、「何を読んでいいのか分からない」というのがあるかと思われる。近現代文学評論の大御所による幅広い年齢層に向けた「読書ガイド」。平和・反核・人権などを考えさせる作品を多く取り上げる。
ノーベル文学賞作家・大江健三郎が一九八六年に行った講演「戦後文学から新しい文化の理論を通過して」の中で、次のように言っている。
〈文学の役割は――人間が歴史的な生きものである以上、過去と未来をふくみこんだ同時代と、そこに生きる人間のモデルを作り出すことです。〉
本書収録の戦後文学作品(105選)は、筆者の50年にわたる近現代文学研究者(及び)批評家としての経験を基に選んだもの。まさに「生き方のモデル」が満載されているといっていい。