出版社内容情報
ほら、見わたせば そこにも ここにも
じいちゃんとのいとおしい思い出は
色あせることなく ぼくの中にある――
ものおきで見つけた、大好きだったじいちゃんが作ってくれた凧。
サンダル、赤い風船、釣り。
凧は揚がっては落ち、大切な思い出を少年のもとにつれてくる。
そしていつしか、天の深いところとつながって……。
凧を通して、亡きじいちゃんと邂逅した少年が伝えたかったこととは?
安東みきえが紡ぐ美しい文章を、気鋭の画家nakabanが詩情豊かに表現しました。
自分にとって大切な人の存在に改めて気づき、感謝する、そんなとっておきの一冊です。
内容説明
じいちゃん、おげんきですか?大好きな祖父と過ごしたかけがえのない思い出は、いつしかぼくの生きる道しるべになる。
著者等紹介
安東みきえ[アンドウミキエ]
山梨県生まれ。作家。1994年、小さな童話大賞(毎日新聞社主催)の大賞および選者賞今江祥智賞受賞。『天のシーソー』(理論社)で椋鳩十児童文学賞、『満月の娘たち』(講談社)で野間児童文芸賞受賞。『夜叉神川』(講談社)で日本児童文学者協会賞受賞、2024年IBBYオナーリスト選出
nakaban[NAKABAN]
広島県生まれ。画家。絵画、書籍の装画、文章、映像作品、絵本を発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
77
読友さんの感想で知った本。まずタイトルに惹かれました。それは、空へと旅立ったおじいちゃんへの思いが綴られた手紙。大好きだった人へ、ひとりで書いた美しく切ない手紙でした。文も絵も幻想的で、星々が強く光り輝く夜空は少年の悲しみや涙のようです。いっしょに吸い込まれていきそうでした。凧はないけど、走る体力ももうないけど、わたしの思いも星空へと届いていますように。2025/02/11
モリー
55
心が浄化されました。一読目はnakabanさんの画力に圧倒され、身も心も一気にファンタジーの世界に引き込まれます。その代わり、話の筋が頭に入ってきません。二読目は幻想世界を俯瞰するように見ながら、言葉を拾うように読みました。気が早いかもしれませんが、今年で出会った中で一番心に残る新刊絵本になりそうです。読み友さんのご紹介に感謝します。2025/01/12
とよぽん
54
安東みきえさんは児童文学作家、と思っていた。絵本作品を読むのは初めてだ。表紙、裏表紙とも読後感をさらに深くする絵。「ぼく」の短い語りの中に、じいちゃんとの思い出と壮大な宇宙が重ね合わせられ、「夜空の切手」がそれらを結びつける。読友さんの感想から素晴らしい絵本に出会うことができた。2024/11/23
はる
52
読友さんの御感想から。詩的な美しい世界に引き込まれました。澄み切った空気感、夕方から夜にかけて変わっていく光と影の描写が見事。おじいさんの凧が様々な想い出を拾いながら、空の向こうに僕の想いを……。読友さんに感謝。2025/01/27
ぶんこ
44
物置で見つけた古ぼけた白い凧。もうすぐ陽が沈むころ。僕は凧揚げに行く。木に引っかかり、外すとサンダルも落ちてきて、赤い風船もひっかけた。凧は空に貼り付けた切手みたい。強い風が吹いて、夜空から魚座の星たちが落ちてきました!じいちゃんとのいろいろな思い出が蘇る出来事。凧に書いたじいちゃんへの言葉。胸きゅん。2025/01/11