内容説明
昭和三十三年春。東京の銭湯に住込みで働いていた円谷銀次郎。二年前から下町にある『松之湯』の三助になった円谷は、朴訥で一本気な性格ゆえ、湯客に親しまれ町の人気者になっていた。しかし円谷の生い立ちには暗い過去があり、生き別れた兄と妹は今もって消息が不明だった。そんな円谷に、銭湯のオーナー夫人をはじめ、町芸者や料亭の女将、女子大生たちが言い寄ってくる。さらに、オーナーが賄い婦を雇い、円谷と同居させた。だが、この女性が円谷の運命を変えることに…。東京の下町の人情と、奔放な男女愛、肉親の絆を描いた長篇官能ロマン。
著者等紹介
安藤仁［アンドウジン］
埼玉県生まれ。青学大卒後、出版社勤務を経て作家に転身。『花びらめぐり』で衝撃デビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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