内容説明
東海道を江戸から京都へ向かう途中、最初に突き当る渡船場が六郷の渡しである。その場所で小さな飯屋を開く父の手伝いをする娘のりえと渡し舟の船頭・清次郎は様々な事情で川を渡る人たちと接しそれぞれの心情を日々見つめていく。江戸での夢破れて生まれ故郷へ帰ることを決めた男。家出した母親を探す旅に出た幼い兄妹たち。不妊治療のために京から名医を訪ねてきたものの病は癒えず迎えにきた夫と船に乗る女―。人生の哀歓を描く書下ろし時代連作。
著者等紹介
伊多波碧[イタバミドリ]
1972年新潟生まれ。信州大学人文学部卒業。時代物、現代サスペンス、実用書等を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kmzwrs5781
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渡し舟には人の過去や未来、真実、想いが集まる場所。人生の節目を見守る人々の色んな物語、電車の中で読んじゃダメなやつだった2024/02/23
Hisashi Tokunaga
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「大田文学ってどう」;表紙裏カバー:「東海道を江戸から京都へ向かう途中、最初に突き当たる渡船場が六郷の渡しである。その場所で小さな飯屋を開く父の手伝いをする娘のりえと渡し船の船頭・清次郎は様々な事情で川を渡る人たちと接しそれぞれの心情を日々見つめていく。江戸での夢破れてうなれ故郷へ帰ることを決めた男。家でした母親を探す旅に出た幼い兄弟たち。不妊治療のために京から名医を訪ねてきたものの病は癒えず迎えに来た夫と舟に乗る女ーー。」 りえ、清次郎を共通に通り抜けた人々には、六郷川を越さねばならない人生があった。2013/06/03