内容説明
江戸で評判の袋物屋『越川』の若主人宗一郎は、大きな悩みを抱えていた。同業者の娘お糸を嫁に迎えた時から、姑のヨメいびりがはじまったのだ。当初は舅がクッションになってくれてまだ良かったものの、一昨年の秋に他界してしまうと母親のいびり方はますますエスカレートする一方。見かねて意見をしようものなら、夜叉の形相でわめきちらし、自殺もしかねない有様。おとなしいお糸は心の病に陥り、困り果てた宗一郎が菩提寺に相談を持ちかけると、和尚の慶雲は魔羅自慢の男をあてがえと言うが…。表題作他六篇を収めた名手の傑作集。
著者等紹介
八剣浩太郎[ヤツルギコウタロウ]
1926年、北海道生まれ。明治大学卒。教師、新聞記者を経て、執筆活動に入る。独自の歴史観を盛り込んだ歴史小説、時代小説を発表している
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