交通新聞社新書
食堂車乗務員物語―あの頃、ご飯は石炭レンジで炊いていた

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  • サイズ 新書判/ページ数 220p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784330110097
  • NDC分類 686.21
  • Cコード C0265

内容説明

今では一部の寝台列車に残るのみだが、かつては贅沢な旅の象徴であり、憧れの鉄道旅行シーンの代表格であった食堂車。本書は、その食堂車の全盛期に乗務をしていた著者による体験談、歴史秘話。読み進めるうちに、思い出の車窓風景や懐かしのメニューがよみがえる。

目次

第1章 食堂車の誕生から今日まで
第2章 急行食堂車の料理/石炭レンジ
第3章 特急食堂車の料理/電気レンジ
第4章 電車急行のビュッフェでチーフに
第5章 食堂車乗務員の車上生活
あとがきに代えて―私は食堂車のコックで鉄道ファン

著者等紹介

宇都宮照信[ウツノミヤテルノブ]
昭和24年12月24日福岡市生まれ。昭和44年、日本食堂入社。数々の食堂車に乗務。のちにジェイアール東海パッセンジャーサービス勤務。ブルートレインや電車、新幹線の乗務を経て、現在九州鉄道記念館に勤務。九州鉄道記念館副館長。車両の整備や企画展の仕事をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

38
2009年刊。1970年代から食堂車で長年コックを務めた方の体験記。写真に写る乗客乗員の服や表情が懐かしい。車内見取図は当時を偲ぶのに役立つ。火力が石炭の頃にはご飯を黒こげにしたり、灰を入れた箱と間違えて商品を捨ててしまう失敗もあった。急停車や連結の時は、慌てて油鍋や寸胴を床に下ろさないと危なかった。ギャンブルで勝って誰彼構わず酒をおごる客、盆暮れに水だけで粘ろうとする客に時代を感じる。食事も立ってする厳しい職場環境や、高速化による食堂車の衰退は悲しいが、著者はとにかく明るくて話が面白い。2025/08/30

ようはん

16
食堂車で一度は食べて見たかったと思う自分。一方で食堂車で働く職員からすると狭い調理室の中で多数の料理を作らなければならず、電車の急停止に備えたり、材料不足などのトラブルにも対応とあらゆる困難さがあり自分が働くのは無理だろうなと思った。2024/05/31

たろいも

5
作者経験そのものがこちらに記されてある。鉄道マニアの作者、こういう2度と経験できない貴重な経験は彼の本で引き続がれます、楽しいし、今だと駅弁かな、食べたいな電車に乗ってどこまでも、疲れた時になーんも考えずに読んだ本でした。2020/05/10

へくとぱすかる

5
単なる食堂車の歴史や紹介の本ではなく、実際に勤務した者にしか書けない表裏の話を満載。ピンチをどう切り抜けるか?の体験談は、下手なサスペンスよりずっと痛快だし、類書がないという点で貴重。そして著者の半生記でもあるラストには感動してしまった。2013/08/25

ちえっさ

3
食堂車のコックさんの乗務回想録。本書を目にしたのが九州鉄道記念館の売店だったのだが、なるほど置かれている意味と商売っ気とが感じられる。食堂車が導入される歴史から語られていて、当時の車輌・ダイヤ・路線から直近では「カシオペア」についてまで触れている。車輌鉄には堪らないかも。著者の体験も盛り込まれてきて、珍妙な補給話や体を壊しそうな睡眠方法など何とも時代が偲ばれる。職場が鉄道車輌なので「乗り鉄」なのかと思いきや会社を辞めてまで蒸気機関車をカメラにおさめようとする「撮り鉄」で、周りのご苦労も偲ばれる(笑)。2017/11/26

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