内容説明
九州新幹線「つばめ」やJR九州の特急列車を中心に、常に話題作を発表し続けてきたデザイナー・水戸岡鋭治。ユニバーサルデザインやバリアフリー対策、さらには地産地消的考えをも取り込んだ、彼の独特な鉄道デザインの原点にあるものを、個々の「仕事」を通して展望する。
目次
はじめに 新800系デビューの意味
第1章 「正しい」新幹線デザインとは?
第2章 私の仕事を代表する3つの列車
第3章 「正しい」鉄道デザインのために
第4章 鉄道デザイナーは一日にして成らず
第5章 夢みる「大鉄道時代」
著者等紹介
水戸岡鋭治[ミトオカエイジ]
1947年岡山県生まれ。岡山県立岡山工業高校デザイン科卒業。1972年、ドーンデザイン研究所設立。建築・鉄道車両・グラフィック・プロダクトなどさまざまな分野のデザインを手がける。なかでもJR九州の車両・駅舎のデザインで、国際的な鉄道関連デザインの賞であるブルネル賞など数多くの賞を受賞。ほかに岡山電気軌道の路面電車「MOMO」、和歌山電鐵の「たま電車」「いちご電車」、富士急行の「富士登山電車」なども手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てくてく
5
JR九州の特急をはじめとする電車などのデザインに関わり続けてきた水戸岡さんについては、既にほかの本で多少のことは知っていたが、本書では、デザインする時に大事なこと、工夫すべき点などが整理されていて、今まで以上に、JR九州の特急や新幹線に乗ってみたくなった。2017/02/28
bittersweet symphony
2
水戸岡鋭治さんの著作が2冊まとめて出ました。中公新書ラクレ版はカラー写真集が中心でデザインや仕事に対するフィロソフィはさわり的、逆に交通新聞社新書版は聞書き本ですがデザイナーという職種がパブリックと関わる限りにおいて(ということはごく少数の例外を除いてほぼすべてのデザインに関わる職種が該当する)、必要なものの考え方が披瀝されているデザイン業界関係者必読と言っても良いもの。そういう意味で鉄道に特化した感のある出版社の新書で出ているのは非常にもったいないことだと思えます。2冊まとめて読むのが正しい。2009/12/14
fumi
2
原則、本というものは疑いながら読むものだと思っていて、それでもたまに圧倒的に強くて「正しい」言葉の前に平伏せざるを得ない読書体験にぶち当たって途方に暮れることがある。この本が私にとってそうなのは、前提として私が水戸岡デザインに心底惚れ抜いているということがあるので、もうほとんど諦めの境地なのだ。公共空間であり、ある人にとっては移動手段でしかなく、ある人にとってはこの上ない娯楽である列車、九州を縦横に走るそれにはこんなに手間と哲学が詰まっているのだ、そう確かめて利用者として幸せをかみしめる。寝台車、楽しみ!2013/03/18
ottohseijin
2
たしかにJR九州の旅は楽しかったのです。2012/12/31
かー
2
読むとJR九州の車両に乗りたくなる!それにこの人のデザイナーとしての姿勢に痺れた。2010/06/28