西日が穏やかですね - 歌集

西日が穏やかですね - 歌集

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  • サイズ B6判/ページ数 118p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784906754052

感想・レビュー

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kaizen@名古屋de朝活読書会

25
#佐藤理江 #短歌 潮汲みの娘人形ほほ笑みて硝子ケースの中を曇らす 乾ききるまぎは湖底はかぎろひて生温かき遺跡となれり 石けんを泡立てながら手を洗ふ世継ぎの御子のひとりの時間 湖に映る僕らは雨あびて分けへだてなく蜂の巣になる ありふれた事故でもあるが責められて雨の現場に容疑者が立つ 側溝の水かさおほく流れさる(猫だと思ふ)ものを見送る p.9 限りある資源ゴミなど奪ひ合ひ戦争になる世界のにほひ p.18 蹴り上げて弧をなす靴の奇跡すら再現できる数式がある #返歌 数式は物理現象表現す論理現象計算不可でも2016/12/14

瓜坊

19
67年生まれの歌人の2012年の歌集。あとがきより、戦後を生きた父の晩年の震災、私的事情で日本から失われたはずの「大きな物語」が立ち現れた、と。だから先の戦争また震災がテーマの連作多く、短歌ってものは「いまの日本人に流れる時間」を汲み上げるというか意識させるものなんだと改めて感じた。「事故」という連作「壁紙に隠れた釘が一斉に軋みだす夜家族はねむる」「色のある表ばかりを見せながら鶴のかたちに折り上がりゆく」出来事を見て見ぬふりをするのに慣れていることにはっとする。他にもはっとさせられるような視点の歌が多い。2020/10/20

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