出版社内容情報
ジョイスの傑作 『ユリシーズ』 全18章の言葉と物語を、もつれた糸をときほぐすかのように解読・快読。文学の復権を予測させる新タイプの書。
内容説明
出版後70年、つねに話題作であり続けた『ユリシーズ』。しかしわれわれはこの世紀の問題作について、その物語性、そのテクスト性について、どれだけのことを知っているだろうか。著者は長年の『ユリシーズ』との付き合いに基づいて、華麗に変容するジョイスの言葉たちがつぎつぎに豊かな物語を紡いでいくありさまを、その基本から語る。
目次
第1章 マーテロ塔にて
第2章 デイジー校長の学校で
第3章 サンディマウントの浜辺にて
第4章 ブルーム家の朝
第5章 街を行くヘンリー・フラワー
第6章 グラスネヴィン墓地に向けて
第7章 新聞社にて
第8章 昼飯どきのブルーム
第9章 図書館にて
第10章 ダブリンの人びと
第11章 オーモンド・ホテルにて
第12章 キアナンの酒場にて
第13章 ふたたびサンディマウントの浜辺にて
第14章 産院にて
第15章 夜の街にて
第16章 御者溜まりにて
第17章 ふたたびブルーム家にて
第18章 女/性のファンタジー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カケル
4
『ユリシーズ』をテクスト論的にツッコんだ快著。自分が読んだアレはいったいなんだったんだろうとポカンとさせてくれる。2024/07/27
IKUNO
2
二十世紀を代表する長編小説、『ユリシーズ』の解説本です。『ユリシーズ』に何が書かれているのか、それがどのような効果を持っているのか、といった、純粋にテキストに沿った解説本ですので、初めて『ユリシーズ』を読む方にはいい入門書になりますし、『ユリシーズ』に親しんでいる方には今まで見えていなかったものを見せてくれる、非常に奇特な作品になっていると思います。『ユリシーズ』がいかに緻密に作られているか、いかに謎に満ちているか、が非常によく分かります。 『ユリシーズ』の楽しみがどんどん増えてくるような気がします。 2017/03/05
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