出版社内容情報
" 従来、メタファー(隠喩)、メトニミー(換喩)をはじめとする比喩の研究は周辺的研究とみなされてきた。その比喩への言語学的アプローチを大きく転換させたのが認知意味論である。本書では、認知意味論によるメタファー、メトニミーの研究とその理論の流れを概観するともに、心理学など関連領域での研究と照らし合わせることで、そのメカニズムの解明の手がかりを探る。
著者紹介/著者による他の著作等
谷口一美(たにぐち かずみ)
大阪大学大学院文学研究科後期博士課程中退。大阪大学文学部助手を経て、現在大阪教育大学教養学科助教授。共著:『認知言語学の基礎』(研究社出版、1996)。論文: “On the Semantics and Development of Copulative Perception Verbs in English: A Cognitive Perspective” (English Linguistics 14, 1997) など。
"
"第1章 はじめに
1.1 メタファー・メトニミーの定義/1.2 「レトリック」から意味論へ/1.3 共感覚比喩/1.4 理論的背景:認知意味論「以前」/1.5 認知意味論の登場とメタファー・メトニミー
第2章 概念メタファー
2.1 導管メタファー:概念メタファーの出発点/2.2 構造のメタファー(2.2.1 経験とメタファー/2.2.2 経験のゲシュタルト/2.2.3 多面的経験と構造のメタファー)/2.3 方向性のメタファー(2.3.1 上下のメタファー/2.3.2 方向性のメタファーの基盤/2.3.3 時間に関する空間化メタファー)/2.4 存在のメタファー/2.5 メタファーと文化/2.6 Lakoff and Johnson (1980) と認知意味論(2.6.1 主観的意味論/2.6.2 カテゴリー論/2.6.3 経験基盤主義)/2.7 新しいメタファー論:伝統的メタファー論との比較(2.7.1 概念メタファーと類似性/2.7.2 メタファーの機能:「具体的なもの」から「抽象的なもの」を理解する/2.7.3 「メタファー」が指すもの)
第3章 メタファー写像とイメージスキーマ
3.1 イメージスキーマ(3.1.1 イメージスキーマに基づく多義性の研究/3.1.2 スキーマに関連する言語理論)/3.2 領域間写像としてのメタファー(3.2.1 「写像」nへの批判とその検討(3.7.1 概念のメタファー表示:目標領域は完全に起点領域に依存しているか/3.7.2 処理過程に相違はあるか/3.7.3 類包含と属性付与によるメタファー)
第4章 プライマリーメタファー
4.1 プライマリーメタファーの概要/4.2 プライマリーメタファーへの「分解」: THORIES ARE BUILDINGS を例に/4.3 プライマリーメタファー再考:分解分析の問題点/4.4 プライマリーメタファーと身体性基盤
第5章 メトニミー
5.1 近接性の種類に基づくメトニミーの分類(5.1.1 メトニミーの生産的パターン/5.1.2 状況依存的メトニミー/5.1.3 部分・全体関係とシネクドキ)/5.2 認知意味論からみたメトニミー(5.2.1 メトニミーの非対称性/5.2.2 参照点構造/5.2.3 認知的際立ちとメトニミー)/5.3 認知言語学からみた「近接性」(5.3.1 ICM, フレーム、スクリプト/5.3.2 フレームと近接性/5.3.3 ICMと近接性/5.3.4 フレーム・ICMの同定はどこまで可能か/5.3.5 認知領域、イメージスキーマとメトニミー/5.3.6 イメージスキーマ変換とメトニミー)/5.4 文法とメトニミー(5.4.1 メトニミー的な動機づけをもつ構文/5.4.2 構文文法でのメトニミー的拡張)/5.5 近接性/7.6 異領域間写像としてのメタファー:類似性と共起性
"
内容説明
本書は、メタファーとメトニミーの研究の流れを概観するとともに、心理学など関連領域の研究と照らし合わせることにより、そのメカニズムの解明に向け、幅広く手がかりを求めていくことを目的としている。
目次
第1章 はじめに
第2章 概念メタファー
第3章 メタファー写像とイメージ・スキーマ
第4章 プライマリー・メタファー
第5章 メトニミー
第6章 メタファーとメトニミーの接点
第7章 類推から見たメタファー
著者等紹介
谷口一美[タニグチカズミ]
1969年石川県生まれ。大阪大学大学院文学研究科後期博士課程中退。大阪大学文学部助手を経て、現在大阪教育大学教育学部教養学科助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みあちゅ
Failing t
books
rhetorico