掌の美術論―触覚と想像力

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掌の美術論―触覚と想像力

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  • サイズ 46判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326852079
  • NDC分類 702
  • Cコード C3070

出版社内容情報

身体を通して、世界に触れ、世界と戯れ、世界を模倣し、そして世界とずれていく。そのずれの中にこそ、芸術の可能性は宿っている。

遊びが手触りや感覚を頼りに新たなゲームや楽しさを創造し、ときに新しい認識や価値を開いていくように、触覚を軸にした鑑賞の方法を提示する。触覚に関わる美術史を整理したうえでフェミニズムや歴史・記憶と芸術作品の関係など、現代的な問題意識を織り込んだ作品解説を通し、触覚と想像力が拓く遊戯場としての美術史を紡ぎだす。


【目次】


プロローグ 芸術の触知(不)可能性

第1章 自由な手
 自己言及的な手──どこまでが「私」なの?
 常軌を逸した手──「私」でなくなるほどに
 心のパントマイム──完全な模倣の困難さゆえ
 機械的な手──無意識を模造する
 建設者の手──目の中のコンパスと掌のコンパス

第2章 美術史家の手
 バクサンドール──時代の目、あるいは時代の身体
 ヴェルフリン──線に触れる美術史家の手
 ヘルダー──子供部屋から展示室へ
 ベレンソン──触覚的な想像力に導かれる手
 ヒルデブラント──表象された身振りへの同調
 リーグル──表面を撫でる美術史家の手

第3章 絵に触れる
 クールベに触れる──グリーンバーグを介して
 自然に触れる──クールベを介して
 視覚と触覚のパラゴーネ──美術作品における「盲目」の系譜
 セザンヌの時間に身を浸す──モリスの《盲目の時間》を介して

第4章 嘘から懐疑へ
 装う絵画──化粧術と視覚文化
 読めない絵を楽しむには?──キュビスムの楽器の奏で方
 過去の身振りへの共震──時をなぞる身体
 手を握り返す──喪失に直面してもなお

第5章 ユートピアで遊ぶ
 未来派における感覚のユートピア──「触覚主義」とイデオロギー
 ピカソのユートピアと「貧しき者の玩具」──死を内蔵する遊戯場
 聖なるものと戯れる──ホイジンガを介して
 遊戯場から玩具箱へ──シャステルとアガンベンを介して
 昔の玩具箱を開く──デ・キリコを介して
 墓穴を開く──ジャコメッティを介して

第6章 彼女たちの顔に触れる
 メアリー・カサット──「女らしさの継承」を超えて
 マリー・ローランサン──鏡の部屋の女たち
 クロード・カーアン──変幻自在のナルキッソス
 仮面の真正性──この身体は誰のもの?
 水差しを傾ける――シンプソンとフックスの手で

第7章 仕事中を演じる
 労働者の仮面をかぶる芸術家、美術史家を演じる批評家
 芸術と産業──芸術が純粋だった「クソやばい日々」
 起源と戯れる──老成した子供のような大人の手で

エピローグ 美術史家の「遊び」の区切り/句切れ

あとがき 
図版一覧

内容説明

てのひらで交錯する触覚と想像力。身体を通して、私たちは世界に触れ、世界と戯れ、世界を模倣し、そして世界とずれていく。

目次

プロローグ 芸術の触知(不)可能性
第1章 自由な手
第2章 美術史家の手
第3章 絵に触れる
第4章 嘘から懐疑へ
第5章 ユートピアで遊ぶ
第6章 彼女たちの顔に触れる
第7章 仕事中を演じる
エピローグ 美術史家の「遊び」の区切り/句切れ

著者等紹介

松井裕美[マツイヒロミ]
パリ西大学ナンテール・ラ・デファンス校、美術史学博士課程修了、博士(美術史)。名古屋大学特任講師、神戸大学准教授などを経て、東京大学大学院総合文化研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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6
著者の言を借りるならば「触覚と想像力が交錯する遊技場としての美術史」。まさしく触れる器官であるところの「手」を主題にした第一章から、芸術家と批評家の遊戯的パフォーマンスを扱った最終章まで、著者の博識な語りは縦横無尽(有名な美術史家の名前は何からの形で一通り言及されているのでは?)。 さらに、自身の鑑賞体験との真摯な対話を通じて生み出されたであろう著者のエクフラシスは美しく巧みで、それこそ、その文章によって「少しずつ知覚や認識が再編成され、自分の固有の経験や記憶が鋳直されていく」ような感があった。2026/07/09

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