出版社内容情報
良妻賢母思想の歴史的変遷を解明し、30年以上にわたり読み継がれてきた名著。初版を詳細に見直し、新たに序文を加えた新装改訂版。
「近代」において女は何を期待されたのか。近代国家を構成する国民の一員としてどのような形でとらえられ、国家へと統合されていったのか。大きな枠組みに立ち、歴史的概念としての「良妻賢母」が登場してきた意味やその思想を変化させる要因、その思想内容を検討し、規範としての良妻賢母思想の変遷を明らかにした名著の新装改訂版。
内容説明
国民国家や近代家族の成立と不可分な規範として、良妻賢母思想をとらえ直す。認識枠組を一新した女性史研究の画期となる名著。
目次
序 問題視角
第1章 良妻賢母思想の成立
第2章 良妻賢母思想と公教育体制
第3章 転換をもたらすもの
第4章 良妻賢母思想の再編
第5章 修身教科書にみる良妻賢母像の変遷
最後に 良妻賢母思想とは何だったのか
著者等紹介
小山静子[コヤマシズコ]
1953年熊本市生まれ。現在、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Olive
13
一言で明確に言うなら、良妻賢母思想とは「決められた枠組の中で一国民として女が認知され国家に統合された思想」という事が出来るだろう。 筆者は、これが国体観念や家制度などと結びついた考えとすることに疑問を投げかける。何故なら女は今でも良妻賢母が期待される状況にあるからだ。この疑問を考察・検証する内容となっている。そして、良妻賢母像は時代と共に1:江戸まで、2:明治啓蒙期、3:戦後と大別し3段階にその意味が変化しているところが興味深い。 ジェンダー順位下位国家が支える思想とは、に答える素晴らしい本だ。2023/03/09
Go Extreme
2
問題視角 良妻賢母思想の成立: 江戸期女訓書にみる女性観 明治啓蒙期の賢母論 良妻賢母思想の登場 良妻賢母思想と公教育体制: 家庭教育論の登場 家庭教育と公教育体制 転換をもたらすもの: 「婦人問題」の登場 第一次世界大戦の衝撃 良妻賢母思想の再編: 女子教育の改善 新しい良妻賢母像 高等女学校令改正へ 修身教科書にみる良妻賢母像の変遷: 明治四四(1911)年まで 大正九(1920)年まで 大正九(1920)年から昭和七(1932)年まで 良妻賢母思想とは何だったのか2022/07/14