なぜ「教育が主戦場」となったのか―「統治の失敗」という見過ごされた論点

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なぜ「教育が主戦場」となったのか―「統治の失敗」という見過ごされた論点

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  • サイズ A5判/ページ数 278p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326653355
  • NDC分類 370.4
  • Cコード C3036

出版社内容情報

百マス計算や中高一貫校で学カ低下は防げない。家庭教育の迷走は続く。強くなる一方の学歴社会──中学受験の人気講師が謎を解く。

学歴社会なんてもはや幻想だという声も強いのに、「崩れたはずの」学歴を求める中学受験はブームとなり、「教育機会の不平等による階層の再生産」論が盛んになっている。かたや学歴社会は崩壊したといわれ、かたや(おそらくは学歴で捉えられる)階層が再生産されるといわれる。この「謎」を解く鍵は、いったいどこにあるのだろうか。

[関連書] 同著者 『数学に感動する頭をつくる』(ディスカバー21)、
      『子どもに教えたくなる算数』(講談社)

第一章 学習状況は≪教育格差説≫を支持するか

 第一節 格差再生産説は学習の実態を視野に入れていない
 第ニ節 二つのハードルで学習階層は三段階に分かれる
 第三節 学力低下は≪新教育≫の学習段階を無視した
      一律な適用がもたらした
 第四節 学力低下論者には学習状況の実態が見えていない
 第五節 必要と啓蒙の2つの教育をつなぐ≪私教育≫
 第六節 ≪アルゴリズム学習≫の弊害
 第七節 学力再生産の仕組みは以前より崩れている

第二章 学歴社会はなぜ生まれなぜ崩れかけているのか

 第一節 教育制度が≪通路≫を用意している
      職業・していない職業
 第ニ節 学校制度には保護される≪内側≫と
      保護されぬ≪外側≫がある
 第三節 教育には≪生徒支援≫でも≪人材育成≫でもない
      ≪統治≫という機能がある
 第四節 教育政策は≪サラリーマン≫の統治に失敗した
 第五節 ≪家制度≫の崩壊は≪階層固有の価値観≫も
      崩壊させた
 第六節 ≪学校化≫という価値観の単線化とその急激な凋落
 第七節 ≪家≫という基盤なくして≪階層の再生産≫なし
 第八節 ≪学力≫≪職能≫≪成功≫という三者の対応関係が
      こわされた
 第九節 グローバリズムの到来とともに≪科学的世界観≫が
      差別化の機能を失った

第三章 グローバル経済は国家が保証する価値観をこわしつつある

 第一節 グローバリズムが国家の魅力を薄めたために
      平等≪感≫が機能しない
 第ニ節 ≪自由という価値観の教育による伝達≫はなぜ大切か
 第三節 ≪自由≫の≪敵≫は国家から経済システムに
      移りつつある
 第四節 グローバル経済がこわしたのは≪制度的平等≫の
      奥にある≪平等感≫
 第五節 初等教育を手厚くして平等感を養うのが国家による
      ≪統治≫の使命

背景ガイド
あとがき

内容説明

百マス計算だけでは学力崩壊は防げない。公立中高一貫校も問題解決の切り札足りえない。家庭教育は迷走しつづける現実。―数学オリンピックメダリストを育ててきた著者による謎解き。

目次

第1章 学習状況は「教育格差説」を支持するか(格差再生産説は学習の実態を視野に入れていない;二つのハードルで学習階層は三段階に分かれる;学力低下は「新教育」の学習段階を無視した一律な適用がもたらした ほか)
第2章 学歴社会はなぜ生まれなぜ崩れかけているのか(教育制度が「通路」を用意している職業・していない職業;学校制度には保護される「内側」と保護されぬ「外側」がある;教育には「生徒支援」でも「人材育成」でもない「統治」という機能がある ほか)
第3章 グローバル経済は国家が保証する価値観をこわしつつある(グローバリズムが国家の魅力を薄めたために平等「感」が機能しない;「自由という価値観の教育による伝達」はなぜ大切か;「自由」の「敵」は国家から経済システムに移りつつある ほか)

著者等紹介

栗田哲也[クリタテツヤ]
1961年生まれ。東京大学文学部中退、東京出版編集部を経て、数学オリンピックを目指す学生のための駿台英才セミナー講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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うにもろこし

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受験のよる選抜を適切な分野へ子どもたちを送り込むパイプラインと例えたり経済社会の変化と子どもや親、大学教育の間のミスマッチなどを指摘したのはとても面白かったがいかんせん筆者が教育学者でなく実証的な面が乏しすぎるのが難点か。ほかの教育学者の本を読んで確認する必要あり

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