内容説明
行政の下請け化と商業化。2つの危機に直面するNPOが進むべき第3の道とは?社会的企業論やイギリスの協働政策から学び、自治体との契約手法にまで切り込む。
目次
第1章 NPOとは何か
第2章 NPOと政府との協働
第3章 日本におけるNPOへの資金提供―自治体の委託を中心に
第4章 地域密着型中間支援組織の機能とその課題―CS神戸を事例として
第5章 「社会的企業」とは何か―2つの理論的潮流をめぐって
第6章 日本における社会的企業概念の受容と研究の課題
第7章 英国におけるパートナーシップ政策
第8章 英国におけるサード・セクターに対する公的資金
第9章 英国における地域インフラストラクチャー組織の機能―GAVCAの事例から
第10章 NPOと自治体との契約の現状と課題―フルコスト・リカバリーの可能性を中心に
第11章 協働を促進する中間支援組織―NPOセクター会議
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
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市民社会を連帯経済で弱いものをつくらずに、いかにして調和ある暮らしが築けるか。NPOはそのための強力な組織だが、これにコミットしているのは、共通の価値観や目標がなければ、なかなか継続できない。資金面もそうだが、社会的企業の説明に詳細な説明を施しているのが本著である。協同組合や共済組合を中心とした社会的経済を批判し、本来の連帯や民主的参加を再活性化させるのが、フランスの就労支援組織などである。日本でも、SNEPという中年無業問題が派遣社員の失業で深刻化していくので、連帯経済の姿を具体化するのが急がれる。2012/09/08