内容説明
経済と福祉をトレードオフさせず、自由と保障の両立をめざす「基本所得」構想の社会哲学。市民権に基づく個人の権利として、属性や地位に関わりなく、誰にでも無条件に支払われる「ベーシック・インカム」。財政面からも倫理面からも批判が強まっている「保険と扶助」型の社会保障に変わりうるものとして注目されるこの構想を、自由至上主義、社会民主主義、フェミニズム、エコロジズムなどの立場とクロスさせ、それはどこまで支持され実現可能なのかを丁寧に描く。
目次
第1部 周辺視(基本に進め;社会保障の給付と負担;ベーシック・インカムの原理;弁護人対検察官)
第2部 誰にとっての自由か?誰にとっての保障か?(急進右派―普遍主義的資力調査;福祉集合主義―選別主義的な保険を超えて;社会主義と社会配当;フェミニズムとベーシック・インカム;エコロジズムとベーシック・インカム)
著者等紹介
フィッツパトリック,トニー[フィッツパトリック,トニー][Fitzpatrick,Tony]
1966年生まれ。エディンバラ大学にて博士号取得。ニューカッスル大学、ルートン大学を経て、現在、ノッティンガム大学法学・社会科学部準教授
武川正吾[タケガワショウゴ]
1955年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京大学大学院人文社会系研究科教授
菊地英明[キクチヒデアキ]
1976年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。現在、国立社会保障・人口問題研究所研究員
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出版社内容情報
経済と福祉をトレードオフせず、自由も保障も考えることはできる!市民権に基づき無条件に給付される「基本所得」、その政治哲学。
市民権に基づく個人の権利として、属性や地位に関わりなく誰にでも無条件に支払われる「べーシック・インカム」。財政面・倫理面から批判が強まっている「保険と扶助」型社会保障に変わりうるこの構想を、自由至上主義、社会民主主義、フェミニズム等とクロスさせ、どこまで支持・実現可能かを描く。
関連書:スピッカー 『福祉国家の一般理論』 (小社刊)
第Ⅰ部 周辺視
第1章 基本に進め
第2章 社会保障の給付と負担
第3章 ベーシック・インカムの原理
第4章 弁護人対検察官
第Ⅱ部 誰にとっての自由か?誰にとっての保障か?
第5章 急進右派 普遍主義的質力調査
第6章 福祉集合主義 選別主義的な保険を超えて
第7章 社会主義と社会配当
第8章 フェミニズムとベーシック・インカム
第9章 エコロジズムとベーシック・インカム
参考文献
あとがき
索引