大学への教育投資と世代間所得移転―奨学金は救世主か

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大学への教育投資と世代間所得移転―奨学金は救世主か

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  • サイズ A5判/ページ数 232p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326504350
  • NDC分類 373.4
  • Cコード C3033

出版社内容情報

現在の日本における教育の機会均等、親の教育費負担と子供の学力への影響、教育を通じた子供への所得移転の変化等の課題を検証する。いまや4年制大学に進学する人が5割を超えるようになったが、その半分の学生が貸与型奨学金を利用している。この現実から、はたして日本における「教育の機会均等」はどこまで進められているのか。世帯間の所得格差が拡大するなか、貧困の親から子への連鎖を断つため、十分な制度は用意されるようになっているのか。等々を考察する。

はじめに:本書の目的意識と概要



序章 教育投資は所得階層を固定化するのか:国際比較と日本の動き[樋口美雄・萩原里紗]

 1.親の所得と子どもの所得の相関

 2.親の学歴と子どもの学歴

 3.子どもの教育に要する費用を誰が負担しているか

 4.生涯給与の学歴間格差



第1章 親の所得と大学進学率[野崎華世]

 1.はじめに

 2.最近の大学進学率の推移

 3.地域による大学進学率の違い

 4.大学進学に関わる制度の変遷

 5.家計と家計を取り巻く環境の変化

 6.親の所得と大学進学

 7.おわりに



第2章 大学進学者にとって奨学金は重要なのか[萩原里紗・深堀遼太郎]

 1.はじめに

 2.奨学金と教育ローン,親族からの援助の関係

 3.日本学生支援機構の奨学金の制度,利用状況,返還状況

 4.おわりに

 補論1 都道府県別大学進学率の変化および地元進学傾向の変化

 補論2 わが国の間接給付の問題点

 補論3 教育ローン



第3章 学歴間の労働所得格差は拡大しているのか[何芳・小林徹]

 1.はじめに

 2.日本における学歴間労働所得格差拡大の検討

 3.学歴間の労働所得格差の背景にある要因

 4.国際比較

 5.おわりに



第4章 学歴間昇進格差は拡大したのか[佐藤一磨・石井加代子]

 1.問題意識

 2.分析内容および分析方法

 3.役職者数の学歴間格差は拡大したのか

 4.役職者割合の学歴間格差は拡大したのか

 5.疑似コーホートにおける役職者割合の学歴間格差は拡大したのか

 6.学歴間の役職者平均年齢は変化したのか

 7.おわりに



第5章 奨学金は大学進学,大学卒業後の収入・正規雇用就業に寄与しているのか[萩原里紗・深堀遼太郎]

 1.はじめに

 2.奨学金の大学進学行動への影響

 3.奨学金の影響に関する計量分析

 4.おわりに

 補論 Propensity Score Matching法とPropensity Score Weighting法



第6章 海外居住経験がその後の就業や所得に与える影響[及川純一・樋口美雄]

 1.はじめに

 2.先行研究

 3.データ

 4.海外居住経験の要因分析と英語能力との関連

 5.海外居住経験が女性就業と雇用形態に与える影響

 6.海外居住経験がその後の所得に与える影響

 7.政策提言



終章 政策提言と今後の課題:エビデンス・ベースド・ポリシー[樋口美雄・萩原里紗] 



索引

樋口 美雄[ヒグチ ヨシオ]
樋口 美雄(ひぐち よしお)
慶應義塾大学商学部教授

萩原 里紗[ハギワラ リサ]
萩原 里紗(はぎわら りさ)
明海大学経済学部講師

内容説明

4年制大学に進学する人が5割を超えるようになった今日、はたして日本における「教育の機会均等」はどこまで進められているのか。世帯間の所得格差が拡大するなか、貧困の親から子への連鎖を断つため、十分な制度は用意されているのか。親の教育費負担と子どもの学力への影響、教育を通じた子どもへの所得移転の変化等、大学への教育投資の課題を検証する。

目次

序章 教育投資は所得階層を固定化するのか:国際比較と日本の動き
第1章 親の所得と大学進学率
第2章 大学進学者にとって奨学金は重要なのか
第3章 学歴間の労働所得格差は拡大しているのか
第4章 学歴間昇進格差は拡大したのか
第5章 奨学金は大学進学、大学卒業後の収入・正規雇用就業に寄与しているのか
第6章 海外居住経験がその後の就業や所得に与える影響
終章 政策提言と今後の課題:エビデンス・ベースド・ポリシー