出版社内容情報
2015年、反対の声を黙殺し、安保法案可決――。日本国憲法はどこへ行くのか。あるべき姿と本質を示す決定版入門書、必然の改訂!
? 憲法から見た「東西」と「南北」──「四つの’89年」とその後
1 一六八九年・一七八九年・一八八九年・一九八九年
2 権利保障と権力分立──その具体的あり方の変遷
3 「人類普遍の原理」──西洋近代文明の光と影
? 日本の近代にとって「憲法」とは──「和魂洋才」と「西洋かぶれ」の間
1 幕末の開国から帝国憲法の発布へ──「建国ノ体」と「海外各国ノ成法」の間
2 帝国憲法の運用──立憲学派と大正デモクラシー
3 一九一〇─一二年と一九二四─二五年──二つの画期の意味
? なぜ「国民主権」なのか──日本国憲法の生まれに即して
1 ポツダム宣言受諾と戦後変革
2 「国体」は変わったか
3 「おしつけられた憲法」か
? なぜ「平和のうちに生存する権利」なのか──国際化時代の「国家」とは
1 戦争の放棄と戦力の不保持
2 平和の憲法思想=制度史と憲法九条
3 「戦争をしない」だけでない平和──人権の国際化
? なぜ「人権」なのか──「個人の尊厳」の重み
1 人一般の発見=個人の解放としての人権
2 特に「法人の人権」をめぐって
3 外国人の人権
? 政治的権力からの人権と社会的権力からの人権──国家の役割はどこまで?
1 私人間の人権──妨害排除のための国家の役割
2 アファーマティヴ・アクション──国家の積極的措置
3 「社会通念」からの自由
? 思想・信仰と教育──自分が自分でなくならないために
1 信教の自由と政教分離
2 教育の自由と国家の役割
? 表現の自由──なぜ「優越的」か
1 表現の自由の「優越」性
2 いくつかの事例、とりわけ検閲の禁止
3 新しい問題
? 経済的自由と社会権──「自由」と「公正」の間で
1 財産権の制約と社会権
2 経済的自由──現状と問題点
? 選挙権と代表──選ぶものと選ばれたものの関係
1 選挙権──その実質的平等の問題を中心に
2 選挙権と表現の自由の交差
3 二つの「代表」観と議会制民主主義
XI 中央の政治と地方の政治──政党のはたらきと住民自治の役割
1 議院内閣制と政党の役割
2 地方分権と住民自治
XII 公正な裁判と裁判の独立──「人権のとりで」としての期待
1 人権にとっての裁判
2 裁判の独立と裁判官の身分保障
3 裁判の公開と、裁判に対する国民の姿勢
XIII 違憲審査の積極主義と消極主義──「憲法の番人」ということの意味
1 付随的審査制の構造
2 付随的審査制の機能
3 「違憲審査制革命」のなかでの日本の経験の特性
XIV 憲法改正と憲法擁護義務──「憲法をまもる」とはどんなことか
1 硬性憲法と、関連する諸論点
2 憲法擁護の二つの型──憲法忠誠制度と「開かれた」方式
3 改憲論の推移
XV おわりに──戦後日本の憲法体験──世界のなかの日本にとって持つ意味は?
何を読んだらいいのか?
初版へのあとがき
六訂版あとがき
裁判例索引
樋口 陽一[ヒグチ ヨウイチ]
樋口 陽一(ひぐち よういち)
東北大学教授、パリ大学客員教授、東京大学教授などを経て、現在、日本学士院会員。憲法学専攻。
近年の著書のなかから:『自由と国家』(岩波新書,1989)、『憲法と国家』(岩波新書,1999)、『個人と国家』(集英社新書,2000)、『国法学――人権原論・補訂』(有斐閣,2007)、『憲法[第3版]』(創文社,2007)、『憲法という作為』(岩波書店,2009)、『いま,憲法は「時代遅れ」か』(平凡社,2011)、『いま,「憲法改正」をどう考えるか』(岩波書店,2013)、『憲法 近代知の復権へ』(平凡社,2013)、『「日本国憲法」まっとうに議論するために[改訂新版]』(みすず書房,2015)。
内容説明
40年前、「立憲主義」の語を処女作(小社刊)の書名に選んだ著者が、安保法制・改憲論議を見すえての加筆・改訂。日本国憲法を、人類社会の大きな流れのタテ糸(歴史)とヨコ糸(比較)の交差のなかに位置づける。憲法のあるべき姿と本質を示す決定版入門書。
目次
憲法から見た「東西」と「南北」―「四つの’89年」とその後
日本の近代にとって「憲法」とは―「和魂洋才」と「西洋かぶれ」の間
なぜ「国民主権」なのか―日本国憲法の生まれに即して
なぜ「平和のうちに生存する権利」なのか―国際化時代の「国家」とは
なぜ「人権」なのか―「個人の尊厳」の重み
政治的権力からの人権と社会的権力からの人権―国家の役割はどこまで?
思想・信仰と教育―自分が自分でなくならないために
表現の自由―なぜ「優越的」か
経済的自由と社会権―「自由」と「公正」の間で
選挙権と代表―選ぶものと選ばれたものの関係
中央の政治と地方の政治―政党のはたらきと住民自治の役割
公正な裁判と裁判の独立―「人権のとりで」としての期待
違憲審査の積極主義と消極主義―「憲法の番人」ということの意味
憲法改正と憲法擁護義務―「憲法をまもる」とはどんなことか
著者等紹介
樋口陽一[ヒグチヨウイチ]
東北大学教授、パリ大学客員教授、東京大学教授などを経て、現在、日本学士院会員。憲法学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Haruka Fukuhara
まさにい
教養のない大学生①
yo_kenp
ケルトリ