出版社内容情報
みんなの決定はなぜ「正しい」のか。なぜ「素人」でも政治に貢献できるのか。現代デモクラシー論の第一人者による集合知からの応答。
個人の意思決定は、誤った情報、衝動、偏見によって、しばしば間違ってしまう。一方で、集団的意思決定は、「素人たち」によるものだとしても、驚くほどに正確である。集合知を可能にするメカニズムそのものが、デモクラシーの強力な根拠となることを論証する。「認識的デモクラシー」の理論モデルを提示した野心的著作、待望の邦訳。
【原著】Helene Landemore, Democratic Reason: Politics, Collective Intelligence, and the Rule of the Many(Princeton University Press, 2017)
【目次】
内容説明
なぜ「素人」でも政治に貢献できるのか。集合知を可能にするメカニズムそのものが、デモクラシーの強力な根拠となることを論証する。
目次
第五章 熟議の認識的失敗(一般的問題と古典的解決;心理学からの応答:推論の論議理論;結論)
第六章 民主的理性の第二のメカニズム:多数決(〈コンドルセの陪審定理〉;〈集計の奇跡〉;認知的多様性のモデル;付録一 〈コンドルセの陪審定理〉における大数の法則;付録二 判断集計における認知的多様性の論理;付録三 情報市場とデモクラシー)
第七章 多数決の認識的失敗:現実と想像(判断の政治対利害の政治、そしてアローの不可能性定理の無関連性;情報フリーライドの問題;投票者の系統的なバイアスと「合理的不合理」の問題;結論)
第八章 政治的認知主義:一つの擁護(不完全な手続き的正義としての政治的意思決定;政治的認知主義:弱い見解v.s.強い見解;政治的問題の三つの側面;政治的認知主義:文化主義的見解v.s.絶対主義的見解;デモクラシーの認識的議論に対する含意;基準の地位:公準的、もしくは経験的水準;反権威主義に基づく異論;結論)
結論 価値ある賭けとしてのデモクラシー(要約;民主的理性の前提条件;迷路のメタファーの限界;理論的な認識的主張の経験的セグエ;過去の多数者の智慧と学習過程としてのデモクラシー;理性と合理性)
著者等紹介
ランデモア,エレーヌ[ランデモア,エレーヌ] [Landemore,H´el`ene]
2008年にハーバード大学でPh.D.取得後、現在はイェール大学政治学科教授、およびイェール大学社会・政策研究所ファカルティ・フェローを務める。政治理論を専門とし、民主主義理論、政治認識論、AI倫理・政治などの領域で顕著な業績を有する。オックスフォード大学AI倫理研究所の特別リサーチ・フェロー、およびOpenAI社における「AIへの民主的インプット」プログラムのアドバイザーも務める
福家佑亮[フクヤユウスケ]
日本学術振興会特別研究員。専門:政治哲学、倫理学
小林卓人[コバヤシタクト]
早稲田大学政治経済学術院講師(任期付)。専門:規範的政治理論、政治哲学
小須田翔[コスダショウ]
広島修道大学国際コミュニティ学部准教授。専門:規範的政治理論、熟議民主主義論
田畑真一[タバタシンイチ]
北海道教育大学旭川校准教授。専門:J・ハーバーマスの政治理論、現代デモクラシー論
山口晃人[ヤマグチアキト]
埼玉大学経済学部・大学院人文社会科学研究科准教授。専門:政治哲学・政治理論(デモクラシー論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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