出版社内容情報
圧倒的総括! 迫真のドキュメント! 戦後政治の「暗黒面」を凝縮した国策をあますことなく伝える。将来を展望するための2巻本。福島第一原発事故から7年が経とうとしている。この間、戦後の電力・エネルギー政策、とりわけ原子力政策の何が明らかになったのか? そして事故後、事態はどう動いていったのか? なぜ電力自由化の改革は急速に進み、脱原発は後退したのか? とは言えなぜ自民党は原発再稼動を思うように進められないのか?
政治学であざやかに読み解く!
はしがき
第1章 原発導入――政官業の思惑と対立の構図
1 九電力体制の成立
2 原子力予算の成立
3 原子力平和利用キャンペーン
4 原子力導入に向けた政界・産業界の動向
5 原発をめぐる電力会社と通産省の主導権争い
6 科学技術庁の四大プロジェクト
第2章 活発化する反原発運動と暗躍する原子力ムラ
1 原子力船「むつ」放射線漏れ事故と原子力安全委員会の設置
2 反原発運動の活発化と通産省・電力会社の協調路線の確立
3 核燃料再処理事業をめぐる電力会社と科学技術庁の対立
4 核不拡散問題と日米原子力協定の改定
5 核燃料サイクル基地の建設
6 反原発運動と労働運動の分裂
7 チェルノブイリ原発事故の衝撃
第3章 原子力冬の時代――東京電力と経済産業省の一〇年戦争
1 原発拡大路線の行き詰まり
2 一九九〇年代以降の四大プロジェクト
3 原子力行政の失敗と科技庁の解体
4 電力自由化をめぐる電力会社と経産省の戦い
5 核燃料サイクルをめぐる対立
6 東電と電力族の結託
第4章 原子力ルネサンスの到来――暴走する原子力ムラ
1 原子力ルネサンスと原発輸出の促進
2 佐藤栄佐久・福島県知事とプルサーマル計画
3 関電美浜原発三号機事故と新潟県中越沖地震
4 福島原発事故以前の民主党の電力・エネルギー政策
5 無視された警告
第5章 東京電力の政治権力・経済権力
1 経済界における東電の権力
2 行政機関に対する東電の権力
3 自民党との関係
4 学界に対する東電の権力
5 労働組合を通じた東電の権力
6 立地自治体における影響力関係
7 反原発団体・市民運動に対する東電の政治権力
8 司法をめぐる影響力関係
9 マスメディアに対する電力業界の権力
10 世論対策
11 東電の権力の源泉
第6章 菅直人と原子力ムラの政治闘争――脱原発をめぐるせめぎ合い
1 東電への緊急融資
2 東電支援スキームの策定
3 菅直人首相の脱原発路線への転換
4 菅降ろし
5 玄海原発再稼働をめぐる争い
6 「脱原発宣言」と菅の退陣
注
参考文献一覧
人名索引
事項索引
上川 龍之進[カミカワ リュウノシン]
著・文・その他
内容説明
「原子力ムラ」はどのように生まれ、どのように強大化していったのか?そして「原子力ムラ」は90年代の危機をどう乗り越え、どのように復活したのか?さらに、それを支えた東電の政治権力・経済権力のすがたとは?福島第一原発事故が起こってから明らかになった原子力政策の「暗黒面」を、あますことなく描き出す!
目次
第1章 原発導入―政官業の思惑と対立の構図
第2章 活発化する反原発運動と暗躍する原子力ムラ
第3章 原子力冬の時代―東京電力と経済産業省の10年戦争
第4章 原子力ルネサンスの到来―暴走する原子力ムラ
第5章 東京電力の政治権力・経済権力
第6章 菅直人と原子力ムラの政治闘争―脱原発をめぐるせめぎ合い
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