内容説明
検定だけでは、本当に調べたいことはわからない。APA Publication Manualの改訂に対応した新しい統計解析のあり方を、その理念と実践的な使い方に焦点をあて、詳しく解説。
目次
第1部 背景と歴史(心理統計における新展開―統計改革がはじまった;帰無仮説検定―その論理と問題点)
第2部 理論と実践(効果量―効果の大きさを表現する;信頼区間―区間推定と図の力;検定力―研究の信頼性と経済性を高めるために;さらなる改革に向けて)
著者等紹介
大久保街亜[オオクボマチア]
1971年生まれ。2002年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(心理学)。日本学術振興会特別研究員、同海外特別研究員を経て、専修大学人間科学部准教授
岡田謙介[オカダケンスケ]
1981年生まれ。2009年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員を経て、専修大学人間科学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひろか
4
意欲作!ていねいな作りだが、ある程度統計の知識は必要だろう2012/03/18
Atsumi_SAKURADA
2
心理学(だけではないけど)で長らくお世話になってきたあの分析やその分析を打ち立てた統計学者たちが、その頃すでに「恣意的に設定した水準で有意かどうかに拘泥したって仕方ないぞ」とおっしゃっていたことを、いい加減、心理学研究でも踏襲しましょうと米国で起こった流れに、本邦でもちゃんと乗りましょう、解説しますよ――という至極、親切な本です。普及してる統計ソフトの仕様変更も、この統計改革において影響が大きそうです。2019/08/27
畳屋民也
1
検定結果だけで判断するとなぜ危険か、 信頼区間・効果量・検定力を添えるとなぜ良いのかを解説した良書。 昨今では心理学や医療・生態学などの分野で論文のガイドラインが見直され、信頼区間や効果量の掲載も求められるようになってきているとのこと。 統計の使い方が一通りわかってきた人は是非読んでみるべき。 少々難しい数式も出てくるが、信頼区間や効果量の具体的な計算方法がほとんどなので、適宜飛ばして読んで問題ない。2022/04/16
好奇心の横断歩道を渡る!
1
心理学・医学・社会学などの論文を読む時に役立ちそうな、統計の話。導出の部分はすっ飛ばされているので、統計の教科書ではなく、実験のデータの統計的解釈の仕方とかそういう感じ。p値と効果量と信頼区間全てを探す様になりました。前提を意識することと、その処理の手法でわかる事をセットで覚えていきたい。何度も読み返す予定。2020/12/28
こひた
1
門外漢すぎて、残念ながら伝わりませんでした。専門用語に対する最低限の説明はほしかった。ただ、昨今は映像化されて動くグラフなど、専門外の人間に影響力のある(そして無論誤解しやすくもなりうる)統計利用が増えている。伝わりやすさとデータの妥当性や正確性を両立させる、手法部分の動向紹介は意義のある著作活動だと感じました。2012/05/01