教師の専門性とアイデンティティ―教育改革時代の国際比較調査と国際シンポジウムから

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  • サイズ A5判/ページ数 319p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326250578
  • NDC分類 374.3
  • Cコード C3037

内容説明

教師の「能力・専門性」を問う。今日の激しい「教育改革」時代、教師はどのようにして自己の「教職アイデンティティ」を確保し、生徒の前に立ち続けるのだろうか。3年間の比較・調査実証・歴史研究と、締めくくりの国際シンポジウムの内容を収録。

目次

教師の専門的力量の発揮には、教職アイデンティティが関与する―現代日本の「教員制度改革」と「教師」論議に寄せる課題提起として
1部 教育改革時代における教師の専門性をめぐる文脈と課題論(「改革」時代における教師の専門性とアイデンティティ―それらが置かれている今日的文脈と、民主的文脈への模索;教育改革の動向と教師の「専門性」に関する諸問題)
2部 教育改革と教師たち―国際比較研究プロジェクトの日本側研究報告(教育改革の動向と背景に関する5ヵ国比較分析―イギリス・スウェーデン・アメリカ・韓国・日本;5ヵ国の教師たち、その教職アイデンティティ確保戦略;日本の教職アイデンティティの歴史的形成―日本の教員改革と教育文化の展開に着目して ほか)
3部 教職専門性の現在と未来―海外からの報告(近年の教育改革を超えて―民主主義的な専門職性に向けて;教育改革と教師―スウェーデンにおいて、また英国との若干の比較を通して;民主主義・人権と教師の役割 ほか)

著者紹介

久冨善之[クドミヨシユキ]
現在、一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は教育社会学、学校文化論、教員文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

出版社内容情報

今日の激しい「教育改革」の時代、教師はどのようにして自己の「教職アイデンティティ」を確保し、生徒の前に立ち続けるのだろうか。イギリス・スウェーデン・アメリカ・韓国・日本の比較研究をまじえつつ、社会的・文化的文脈の中に位置し、歴史的な教員文化の中核にありながらも、厚いべールに覆われた教師存在について検証する。

はしがき

序 教師の専門的力量の発揮には、教職アイデンティティが関与する
   ──現代日本の「教員制度改革」と「教師」論議に寄せる課題提起として──
                                        久冨善之

Ⅰ部 教育改革時代における教師の専門性をめぐる文脈と課題論

 第1章 「改革」時代における教師の専門性とアイデンティティ
  ──それらが置かれている今日的文脈と、民主的文脈への模索──
                                   久冨善之
   1 「教育改革」における<教師の位置>の二重性
   2 「教師たちの専門的成長」言説は<二重の位置>をつなぐ
   3 教師の仕事の難しさをめぐって
   4 文化としての「教職アイデンティティ」
   5 教育改革と教員文化

 第2章 教育改革の動向と教師の「専門性」に関する諸問題
                                    岩田康之
   1 新自由主義的動向下の大学・教師・教師教育
   2 教師の資質向上に関する諸論点
   3 教師の「専門性」に関する日本的特質

Ⅱ部 教育改革と教師たち
     ──国際比較研究プロジェクトの日本側研究報告──

 第3章 教育改革の動向と背景に関する5ヵ国比較分析
       ──イギリス・スウェーデン・アメリカ・韓国・日本──
                   中田康彦(+)改革比較グループ
   1 5ヵ国比較の意義と可能性
   2 教育改革全般の改革動向
   3 教師の職業的地位と勤務条件
   4 教師の資質向上をめぐる動き
   5 まとめにかえて

 第4章 5ヵ国の教師たち、その教職アイデンティティ確保戦略
                      長谷川裕(+)実態調査グループ
   1 教職の諸困難とそれをめぐる諸ファクターの関連
     ──調査研究および本章の課題意識
   2 教職アイデンティティ・バーンアウトと教員文化
   3 教職アイデンティティと教育改革
   4 日本の教師の二元化戦略、教育改革、“開かれた学校”の可能性
   5 まとめ

 第5章 日本の教職アイデンティティの歴史的形成
        ──日本の教員改革と教育文化の展開に着目して──
                  木村元(+)歴史グループ

   1 教職アイデンティティを捉える視点
   2 日本における教員政策の概要
   3 社会的地位の確保
   4 教師の資質──人間性(徳性)を重視するという特徴
   5 仕事の性格を無限定に捉えるという伝統
   6 現代の教員文化をめぐる課題

 第6章 日本側研究報告の一つのまとめとして
       ──危機の時代の教員制度改革と教員言説・教員文化・教職アイデンティティ──
           久冨善之(+)3グループ代表

   1 教員制度改革の国際的焦点
   2 日本における<教員文化>の歴史的形成とその展開
   3 教職アイデンティティ確保の文化的課題性とそれに絡む諸要因
   4 日本における教職アイデンティティ確保の「二元化」戦略と
     民主的学校指向との微妙な関係
      ──「改革」時代における<教職内面倫理>の行方を考える
   5 国際比較の中での日本的独自性格の意味

Ⅲ部 教職専門性の現在と未来
     ──海外からの報告──

 第7章 近年の教育改革を超えて
       ──民主主義的な専門職性に向けて──
      G.ウィッティ&E.ウィズビー(翻訳:松田洋介)

   1 「専門職」を定義するためのいくつかのアプローチ
   2 教師の自律性の「黄金期」から「遠隔操作(steering at a distance)」へ
   3 ニューライトによる再構築からニューレイバーの修正主義へ
   4 変化する文脈の中での教師の専門職性
   5 教師の自律性・統制への含意
   6 「民主主義的な専門職性」へと向けて

 第8章 教育改革と教師
        ──スウェーデンにおいて、また英国との若干の比較を通して──
             リスベス・ルンダール(翻訳:久冨善之)
   1 はじめに
   2 福祉と教育についての政策の類型
   3 スウェーデンの教育と教育政策
   4 教育についての政治の再編成
   5 教師の仕事と専門的立場への衝撃

 第9章 民主主義・人権と教師の役割
            カン・スンウォン(翻訳:本田伊克)

   1 韓国における民主主義と人権の歴史
   2 韓国の学校における人権問題
   3 変革の担い手あるいは反動勢力としての教員の役割
   4 結論

 第10章 不確実性の時代における教師の専門職性
         ──折衷的でプラグマティックな教師アイデンティティの出現──
           デーヴィッド・ハルピン(翻訳:勝野正章)
   1 教師─国家関係の変化
   2 プラグマティズムと教師の専門職性

 第11章 グローバル化の波に国家はどう防壁になっているか
                   ゲイビー・ワイナー(翻訳:梅景優子)

   1 専門職性
   2 研究
   3 女性化
   4 伝統(または遺産)
   5 グローバリゼーション
   6 考察

結び 国際比較調査と国際シンポジウムから見えてきたもの
      ──教職アイデンティティの模索は教員世界の中で進んでいる──
                        久冨善之・長谷川裕

索引