出版社内容情報
フィリピンの植民地主義の影響下、言語と身体性の関わり合いからろう者のアイデンティティや市民権がどのように形成されてきたのか。
フィリピンのような多言語社会で、手話はどのように生まれ、継承され、周縁化されてきたのか。ろう文化をめぐる知られざる文化実践の歴史を通し、音声言語を前提とした制度や社会の中での複層的な権力構造、そして「言語のあり方」そのものを問い直す試み。
【目次】
内容説明
「聞こえる社会」に生きるわたしたちの常識を、フィリピンろう者の歴史が静かに揺さぶる。感覚・言語・文化・権力の交差点で〈アビリティ〉の意味を見つめ直す旅。
目次
感覚の植民地主義と言語のヘゲモニー
第1部 理論的視座:線を引く/測る(ろう文化論の再定位―言語・身体・権力の系譜;基層データで読むフィリピンろう者が生きる環境―言語・学校・団体・法制度)
第2部 歴史的視座:線を移植する/統治する(身体と感覚の植民地支配;独裁と福祉―マルコス政権期における生権力とろう者社会)
第3部 現代的視座:線を撹乱する/描き替える(言語のヘゲモニーを解体する―ろう者の生活)
総括―〈アビリティ〉を問いなおすために
著者等紹介
山下惠理[ヤマシタエリ]
東京都出身。立命館大学グローバル教養学部准教授。東京外国語大学大学院総合国際学研究科(博士)。専門はフィリピン地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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