カント批判―『純粋理性批判』の論理を問う

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カント批判―『純粋理性批判』の論理を問う

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  • サイズ 46判/ページ数 290p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326154562
  • NDC分類 134.2
  • Cコード C3010

出版社内容情報

カントの超越論的観念論を一七?一八世紀の精神史の流れの中で捉え直し、愛着を持ちつつも神格化を排してその実像を明らかにする。

まえがき



第1章 「独断のまどろみ」からの不可解な「覚醒」──「唯一の原理」への奇妙な道筋

 はじめに

 1 カントの説明

 2 ヒュームの議論

 3 補説・『人間知性についての研究』の場合

 4 カントの奇妙な対応(一)──ヒュームが最初から経験論者であったにもかかわらず

 5 思考実験──もしも基になる印象が見つかったとしたら、カントはどうするつもりだったのか

 6 カントの奇妙な対応(二)──「関係の観念」は印象や感覚ではありえないにもかかわらず

 7 関係の観念の特殊性──ロック・バークリ・ヒューム

 8 「唯一の原理」への道



第2章 ロックの反生得説とカントの胚芽生得説──カントが言うほどカントとロックは違うのか?

 はじめに

 1 カントのロック評──私はロックとはこのように違う

 2 なぜ経験由来であってはならないのか──必然性の問題

 3 ロックの反生得説

 4 「機会」・「胚芽」・「素質」

 5 ロックの実際の議論(一)──カントが言うのとは違っている

 6 ロックの実際の議論(二)──「単一性」の観念の場合

 7 ロックの実際の議論(三)──狭義における「実体」観念の場合

 8 カント自身の反生得説

 9 人間に固有のものなのか?

 10 「胚芽」と「素質」・再考──人類学主義

 11 ロックの「規約主義」



第3章 カントはロックとヒュームを超えられたのか?──アプリオリ化の実像

 はじめに

 1 ヒュームによるロックのなぞり

 2 「図式」論──カントはロックやヒュームを乗り越えてはいない

 3 知覚判断と経験判断

 4 カント説のもう一つの謎──必然性をめぐる循環

 5 自然科学を基盤とした形而上学



第4章 そもそも「演繹」は必要だったのか?──自身の「経験」概念の絶対化

 はじめに

 1 客観的演繹と主観的演繹

 2 客観的演繹の要

 3 カント自身の「経験」理解が基盤となって

 4 カントの議論の実際

 5 カントの立論の論理構造

 6 純粋知性概念(カテゴリー)の導出・再考

 7 カントの循環



第5章 判断とカテゴリーの恣意的な扱い──カントの隠れ自然主義

 はじめに

 1 「判断の量」と「量のカテゴリー」

 2 「判断の質」と「質のカテゴリー」

 3 論理のすり替え

 4 「図式」論におけるカントの説明

 5 「直観の公理」

 6 「直観」と「感覚」の区別

 7 「知覚の予想」

 8 ロックと比較して

 9 今日の自然科学においては

 10 古代ギリシャ以来の伝統

 11 伝統的論理学の視点の不当な使用

 12 「判断の関係」と「関係のカテゴリー」

 13 原則と自然科学の原理の深い関係

 14 カントの隠れ自然主義再説

 15 カントの循環再説──何のための「演繹」か?



第6章 空間の観念化とその代償──議論の浅さとその不整合の意味するもの

 はじめに

 1 「空間について」──「形而上学的究明」と「超越論的究明」

 2 序にあたる部分──「外的感官」と「内的感官」

 3 「空間について」──本論の基本的議論

 4 第二版での「形而上学的究明」と「超越論的究明」

 5 幾何学の可能性

 6 「多様なもの」とその「結合」

 7 ロックの場合(一)──観念の複合化と知識

 8 ロックの場合(二)──単純観念と識別

 9 空間中の対象と、多様なもの

 10 モリニュー問題から

 11 空間再考、そして、残された問題





あとがき

事項索引

人名索引

冨田 恭彦[トミダ ヤスヒコ]
著・文・その他

内容説明

「時代の子」としてのカント。その実像とは―カントの超越論的観念論を17~18世紀の精神史の流れの中で捉え直し、明証必然的な理論を標榜しつつも、実は自然科学の知見を密かな基盤としていたことを明らかにする。

目次

第1章 「独断のまどろみ」からの不可解な「覚醒」―「唯一の原理」への奇妙な道筋
第2章 ロックの反生得説とカントの胚芽生得説―カントが言うほどカントとロックは違うのか?
第3章 カントはロックとヒュームを超えられたのか?―アプリオリ化の実像
第4章 そもそも「演繹」は必要だったのか?―自身の「経験」概念の絶対化
第5章 判断とカテゴリーの恣意的な扱い―カントの隠れ自然主義
第6章 空間の観念化とその代償―議論の浅さとその不整合の意味するもの

著者等紹介

冨田恭彦[トミダヤスヒコ]
1952年香川県に生まれる。1981年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(文学)。ハーバード大学客員研究員、京都大学大学院人間・環境学。研究科教授、同研究科長などを経て、京都大学名誉教授、同志社大学嘱託講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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著者のいうようにカントがまちがっていたとしても、その誤謬には形式的な意義があった。カントが証明したのは、人間は自分の自発性を「形式としてしか」経験できないということである。その形式がかくかくしかじかの内容をそなえている(12の純粋悟性概念)という点についてカントはまちがっていた。けれど経験の白紙性(プシュケ)は、それ自体を経験することのできないアポリアであって、しかし奇妙なことにカントによってこのアポリアは経験=反省可能なものになったのである。それが、ヘーゲルによる「経験」の(カントに反した)定義である。2020/09/25

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