出版社内容情報
かくれんぼ,シーソー,おもちゃ,ままごと等〈遊び〉の構造と呪術,道具,演劇,スポーツ等〈企て〉の構造はどこが違うのか。身体・日常感覚からのユニークな遊び論。
《1990年度 思想・歴史部門》
サントリー学芸賞受賞
〈企て〉に対する人間行為の一側面、
〈遊び〉の本質を、具体的な身体から
発想してとらえきった話題の好著!
〔目次〕
序
第1章 問いの射程
第2章 遊びの祖型
第3章 浮遊と同調
第4章 かくれんぼの現象学
第5章 玩具の存在論
第6章 仮象論の陥穽
第7章 ごっこの構造
第8章 ルールの概念
第9章 賭けと遇運
内容説明
かくれんぼ、シーソー、おもちゃ、ままごとetc.〈遊び〉の構造の呪術、道具、演劇、芸術、スポーツetc.〈企て〉の構造のちがいは何か。“浮遊”と“同調”の存在様態として捉える。
目次
問いの射程
遊びの祖型
浮遊と同調
かくれんぼの現象学
玩具の存在論
仮象論の陥穽
ごっこの構造
ルールの概念
賭けと遇運
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかふく
4
「遊びとは何かと」という問いは古くからあるが、代表的な考えである「準備としての遊び」にある一つの問題、端的に言えば「遊び自体」について考えられていないのではないかという疑問から本書は起こる。遊びが、ときに逸脱するにせよ、独自な行為としての遊びであるという主張を行いながら、ホイジンガ、カイヨワ、フィンクなどの議論の問題点を指摘する。遊びは自己目的的で、同調の関係を背景とするものであるというのが基本的な定義。またこれによって「芸術と遊戯」という「仮象論」をもとにした議論も、「仮象」が独自の存在であるという観点2014/03/10
ubon-ratchat
1
ゲーミフィケーション周りでホイジンガ、チクセントミハイがもてはやされていますが、彼らの理論を鵜呑みにしない視座を得るために、併読すると吉です。2012/01/08
Wosam
0
美学者からの現象学的遊び分析2009/02/07
さんかくこんにゃく
0
ある特定の活動が遊びなのではなく、人間の存在様態の一つとして遊びを捉える本。ホイジンガやカイヨワなどの伝統的な遊び論を批判的に検討していく形で話が進められる。一部納得がいかない部分もあったが、基本的に非常に丁寧で、過度に広げない真摯な議論という印象を持った。2022/02/21
-
- 和書
- 珍樹図鑑 文春新書