出版社内容情報
構造主義およびそれ以降の思想を一貫したパースペクティヴのもとに論理的に再構成し,今日の知的フロンティアの位置を確定しようとする試みである。気鋭の著者のデビュー作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aster
55
冒頭から訳の分からん用語の連発で挫けそうになったけれど、調べたらある程度太刀打ち出来る。加えて、繰り返し説明してくれるので慣れる。恐らくそういう文体というだけで中身に関しては分かりやすく説明してくれている。それでも構造主義やラカンの最低限の知識は必要かも。『クラインの壺からリゾームへ』の図は良かった。現代は脱コード化されていて大文字の他者が機関や人的な権力でなくなったというのが特徴なのかな、そんな感じの解釈が良かった(自信がない) 。立ち返って読むべき本でもあるので本棚に残しておこう。2020/10/31
ころこ
43
電子書籍が出ていたので今回は電子書籍で読みました。増刷されても改版していないので植字が時代に封じ込められたようになっていて、このちょっとしたことで読み進められない読者が案外と多くいるのではないかと想像します。交換と贈与という最近になって復活した問題が論じられていて、入門書でも何でもない詩的と思える比喩の難しさが一貫していて、再読する価値のある現代性を帯びています。2022/08/29
ころこ
35
前半は「シラケつつノリ、ノリつつシラケる」というように従来の知の解体を促して大衆化へと向かうポストモダン的です。後半はポモ思想を紹介していますが、最新思想を俊英がひも解く著者の態度が教養人と大衆の間に大きな溝をつくっています。基本的なことは知っているでしょうと言わんばかりに卒なく簡潔に書かれており、アイロニカルな視線を維持しつつポモだけに論旨が途端に文学的に書かれているので、既知でないと読み進められません。とすると、本書のメッセージはアンビバレントではないか。当時、知の大衆化を呼び掛けた本が大量に売れた。2018/10/17
chanvesa
34
難しくてほとんどわからず。それでも、(1)ヘーゲルの弁証法の詐取、死を賭けると見せつ獲得したものを享受すべく密かに生を保持し続ける(116頁)、(2)構造主義における「力」の思想、1.原始共同体ーコード化・2.古代専制国家ー超コード化・3.近代資本制ー脱コード化(160頁)、3解体・要素化による取り込み(172頁の註)、(3)四章の4ゲマインシャフト的幻想共同体(夜の国家)=ナシオンとゲゼルシャフト(昼の国家)=エタの議論(ファシズムは夜と昼のハイブリット)、(4)グールドのゴールドベルク新盤の2015/11/09
逆丸カツハ
24
非常に懐かしい一冊。大学生の頃背伸びをして読んだ。文庫化されるとのことなので、目を通した。読み直して見ると、自分の考えに相似するところが多く、やっぱり大きな影響を受けているかもしれない。2024/01/02