出版社内容情報
錬金術はどういう歴史をたどってきたのか? 実験室では何が行われていたのか? 理論と実践の両面から解きあかす錬金術の本当の姿。
bibliotheca hermetica 叢書の発刊によせて
プロローグ──錬金術とはなにか
第一章 起源──ギリシア・エジプトの「ケメイア」
1 はじめに
2 技術的な文献──パピルスと偽デモクリトス
3 錬金術の誕生
4 パノポリスのゾシモス
5 末期アレクサンドリアとビザンツ世界
第二章 成長──アラビアの「アル・キミア」
1 はじめに
2 ギリシアからアラビアへの知識の伝搬
3 ヘルメスとエメラルド板
4 ジャービルとジャービル文書
5 金属の「水銀・硫黄」の理論
6 ジャービルの金属変成剤──アリストテレス、ガレノス、ピュタゴラス
7 錬金術の秘匿性と秘伝伝授
8 『賢者たちの討論会』とアル・ラージーの『秘密の書』
9 イブン・シーナーと金属変成の批判
第三章 成熟──中世ヨーロッパの「アルケミア」
1 はじめに
2 ヨーロッパにおける処方集
3 ヨーロッパにおける錬金術の興隆と「ゲベル」
4 論争を巻きおこす錬金術
5 中世ヨーロッパの錬金術における秘密主義と神学
6 錬金術と医学
7 偽ルルスと幻の十字軍
8 さらなる新しい展開─精華集とエンブレム的な図像
第四章 再定義、再生、そして再解釈──一八世紀から現代まで
1 はじめに
2 クリソペアの消失
3 錬金術と啓蒙主義
4 一九世紀における錬金術
5 自己変容の錬金術─アトウッド、ヒッチコック、ヴィクトリア朝のオカルト主義
6 幻覚と投影──心理生物学的な見解
7 一六・一七世紀への帰還
第五章 黄金期──初期近代における「キミア」の実践
1 はじめに
2 基礎─金属とその変成
3 金属変成──「個別剤」と奇妙な金属
4 賢者の石を調整する──教えをうける
5 賢者の石を調整する──原料の選択
6 賢者の石を調整する──女性の仕事と子供の遊び
7 賢者の石の作用を説明する
8 キミア的な医学、パラケルスス、そしてパラケルスス主義
9 その他の野心的なキミアの計画
第六章 秘密のヴェールを?ぐ
1 はじめに
2 不可能な実験結果なのか──ケミアトリアの場合
3 隠された知識を解読する──クリソペアの場合
4 クリソペアの主張の源泉
5 自身の金を育てる──スターキーと賢者の木
6 賢者の石が存在する証拠
第七章 キミアの広大な世界
1 はじめに
2 知的文化におけるキミアの曖昧な地位
3 文学と芸術におけるキミア
4 演劇におけるキミア
5 詩におけるキミア
6 「偽キミスト」の肖像
7 キミアと宗教
8 「神の賜物」としてのキミア
エピローグ
謝辞
高貴なる技、錬金術、あるいはキミアの探究──解題にかえて(ヒロ・ヒライ)
口絵・図版一覧
文献一覧
索引
ローレンス・M・プリンチーペ[ローレンス プリンチーペ]
著・文・その他
ヒロ・ヒライ[ヒロ ヒライ]
翻訳
内容説明
錬金術の基礎にある化学・医薬的な技術と発展の過程、そして詐欺や魔術と誤解・断罪された経緯、暗号化されたテクストの読解、錬金術師たちの社会的な評価、文学や演劇、宗教との関係、背景となる自然観や人間観から、「高貴なる技」が科学史と文化史に占める重要な地位を示す。また再現実験から、その実像を炙りだす。
目次
プロローグ―錬金術とはなにか
第1章 起源―ギリシア・エジプトの「ケメイア」
第2章 成長―アラビアの「アル・キミア」
第3章 成熟―中世ヨーロッパの「アルケミア」
第4章 再定義、再生、そして再解釈―一八世紀から現代まで
第5章 黄金期―初期近代における「キミア」の実践
第6章 秘密のヴェールを剥ぐ
第7章 キミアの広大な世界
エピローグ
著者等紹介
プリンチーペ,ローレンス・M.[プリンチーペ,ローレンスM.] [Principe,Lawrence M.]
ジョンズ・ホプキンズ大学シングルトン前近代ヨーロッパ研究所所長、科学史教授、化学教授。アメリカを代表する科学史家。1988年にインディアナ大学にて化学、1996年にジョンズ・ホプキンズ大学にて科学史の博士号を取得
ヒロ・ヒライ[ヒロヒライ]
ルネサンス思想史。Early Science and Medicine誌学術顧問。1999年より学術ウェブ・サイトbibliotheca hermetica(略称BH)を主宰。同年にフランスのリール第三大学にて哲学・科学史の博士号を取得。欧米各国の研究機関で研究員を歴任。現在、オランダ・ナイメーヘン大学研究員。2012年に第九回日本学術振興会賞を受賞。2013年よりBH叢書の編集主幹(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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