出版社内容情報
スミスが経験や観察を重視し、人間の複雑性を認め、そこから道徳理論の構築を試みたことを、『道徳感情論』の体系的な分析から示す。
スミスが共感を基準とする道徳理論を示したという従来の説に対し、本書はスミスが慣習的判断、共感的判断、一般的規則に基づく判断、功利的判断という異なる道徳判断を認識し、道徳判断の多様性を認めた道徳論を提示しようとしたことを解明する。『道徳感情論』の新解釈を示し、スミス研究に一石を投じる挑戦的書。
内容説明
経験や観察を重視したスミスが構築しようとした道徳理論とは?本書は、スミスが慣習的判断、共感的判断、一般的規則に基づく判断、功利的判断という異なる道徳判断を認識し、道徳判断の多様性を認めた道徳理論を提示しようとしたことを解明する。『道徳感情論』の新解釈を示し、スミス研究に一石を投じる挑戦的書。
目次
序論
第1章 『道徳感情論』におけるスミスの経験的分析
第2章 『道徳感情論』の基本的原理
補論
自己欺瞞をめぐる問題について―スミスとバトラーとの比較分析
第3章 行為の効用(有用性)と快楽・苦痛とが道徳判断に及ぼす影響について
第4章 慣習と道徳判断
第5章 道徳判断の諸原理と共感的判断
結論
著者等紹介
太田浩之[オオタヒロユキ]
一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士課程修了。日本学術振興会海外特別研究員。専門は思想史、とりわけ18世紀イギリス思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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