内容説明
地球規模の正義はありうるか?国内正義とどう異なるか?貧困・南北問題・移民・国際貿易・多国籍企業をめぐるスリリングな正義論!
目次
1 原理と構想(グローバルな生存権論;グローバルな“シンボリック・ネットワーク”;社会契約モデルの拡張―ロールズからセンへ;正義の宇宙主義から見た地球の正義)
2 制度と実践(移民の規制は正当化できるか?;グローバル不正義としての南北間搾取;「食」とグローバルな正義;多国籍企業の政治的責任)
著者等紹介
宇佐美誠[ウサミマコト]
京都大学大学院地球環境学堂教授。法哲学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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すずき
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重要そうな論文を中心に。宇佐美論文、瀧川論文はさすがだなあといった感じ。特に瀧川論文はカントの自然的義務論を基底としてポッゲの制度的加害是正義務論やカント的な正義の積極的義務を一元的に整理する図式を提示し、積極的義務=人道的義務(≒supererogation)とみなされがちだった従来の図式を批判するのは感動。 (評者はやや瀧川先生の信者みたいなところがあるのでそれを差し引いてもらえればと思います。でもGODでしょ。) 森村論文は思ったほど…って感じ。結論自体はそんなに不満がなくても雑魚ばっか蹴ってる感。2019/03/09