出版社内容情報
「時間」を操る神学者、アンセルムス。彼によって「時間をめぐる思想」が革命的に転回する歴史の一断面を描き、西欧中世の神学理論が世界に及ぼした威カを論証する。
11世紀イギリスの神学者、アンセルムスは、神を理性的に把握する学術形態を創始したことで知られる。時間軸のなか視点を自在に移動させ、仮説からの推論により答えを導くその理論は、当時の世俗権力をめぐる争い(叙任権闘争)を見事決着させる。特定の権威に拠らない<論理>が現実を動かす近代社会の萌芽を西欧中世の神学理論に見る。
[関連書] 同著者 『時間の民族史』 『神学と科学』 (勁草書房刊)
序文
(地図) ノルマンディーとその周辺
緒論 神学理論の実用性と政治利用
第一章 時制論理の革新性と神学革命
第一節 修道院神学発展の前哨と教会改革
第二節 存在論的神証明の原像と時制論理
第三節 現世的職務形態の現成と脱人格化
第二章 教会制度の自律化と服従義務
第一節 不可抗的連帯制の切断と位階秩序
第二節 制度的政教分離の理念と秘蹟教会
第三節 負債償還的救済の教義と歴史法則
第三章 政教闘争の閉塞性と価値顛倒
第一節 服従宣誓要求権の返上と俗人叙任
第二節 聖職叙任権闘争の顛末と聖俗補完
第三節 第二ミレニアムの定礎と永続改革
結論 封建体制の膠着化と近代世界
緒論 註
第一章 第一節 註
第一章 第二節 註
第一章 第三節 註
第二章 第一節 註
第二章 第二節 註
第二章 第三節 註
第三章 第一節 註
第三章 第二節 註
第三章 第三節 註
結論 註
参照文献(略記号一覧)
古典語の原典・史料
論文・研究書その他
人名索引
内容説明
「時間」を操る神学者、アンセルムス。彼によって「時間をめぐる思想」が革命的に転回する歴史の一断面を描き、西欧中世の神学理論が世界に及ぼした威力を論証する。
目次
緒論 神学理論の実用性と政治利用
第1章 時制論理の革新性と神学革命(修道院神学発展の前哨と教会改革;存在論的神証明の原像と時制論理;現世的職務形態の現成と脱人格化)
第2章 教会制度の自律化と服従義務(不可抗的連帯制の切断と位階秩序;制度的政教分離の理念と秘蹟教会;負債償還的救済の教義と歴史法則)
第3章 政教闘争の閉塞性と価値顛倒(服従宣誓要求権の返上と俗人叙任;聖職叙任権闘争の顛末と聖俗補完;第二ミレニアムの定礎と永続改革)
結論 封建体制の膠着化と近代世界
著者等紹介
瀬戸一夫[セトカズオ]
1959年生まれ。1990年東京大学大学院理学系研究科科学史・科学基礎論博士課程単位取得退学。2002年山崎賞受賞。2004年日本フィヒテ協会賞受賞。現在、成蹊大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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