出版社内容情報
「網膜像は視覚の基礎ではない」。知覚理論に革命を起こしたアフォーダンス理論が誕生するまでの長い物語。ジェームズ・ギブソンの思索と生涯の歩みを精細に描く。
ギブソンの遺稿を整理したエドワード・リードが未公刊のメモを含む全仕事を読み解いた伝記。生態光学が考案される1950年代、知覚システム論が生まれる60年代、そして近代の心の科学を凌駕する生態学的心理学への飛躍がもたらされた70年代。ヨーロッパの知覚研究者との交流など半世紀に及ぶ全思考が生き生きと描かれる。
[関連書] ギブソン心理学論集『直接知覚論の根拠』(勁草書房刊)
日本の読者への序文
謝辞
凡例/引用についての注記
プロローグ──ギブソンの構想
第Ⅰ部 視覚世界へ向かって
第一章 はじまりの頃 1904~1931
第二章 デカルトの伝統とギブソンの挑戦
第三章 社会実在主義者の動機
第四章 知覚の運動理論から行為の知覚制御へ
第Ⅱ部 視覚の革命
第五章 一人のアメリカ心理学者の転換 1931~1955
第六章 社会心理学者をやめる 1941~1955
第七章 生きている網膜像の発見
第八章 視覚世界の探索
第九章 網膜像から光配列へ
第一〇章 知覚学習と知覚活動の発見
第Ⅲ部 イサカの見者
第一一章 イサカの見者:コーネル 1955~1979
第一二章 科学革命『知覚システム論』
第一三章 像と情報
第十四章 持続するものを見ること
第十五章 視覚への生態学的アプローチ
第十六章 新しい心理学の光景
エピローグ──視覚:不思議で素晴らしい仕事
訳者解説とあとがき
参考文献/ギブソンの出版物
索引
内容説明
「網膜像は視覚の基礎ではない」。視覚論の「大地説」が生み出されるまでの半世紀の歩み。
目次
第1部 視覚世界へ向かって(はじまりの頃 一九〇四~一九三一;デカルトの伝統とギブソンの挑戦;社会実在主義者の動機 ほか)
第2部 視覚の革命(一人のアメリカ心理学者の転換 一九三一~一九五五;社会心理学者をやめる 一九四一~一九五五;生きている網膜像の発見 ほか)
第3部 イサカの見者(イサカの見者:コーネル 一九五五~一九七九;科学革命『知覚システム論』;像と情報 ほか)
著者等紹介
リード,エドワード[リード,エドワード][Reed,Edward S.]
1954‐1997。生態心理学の中心メンバーの一人であったが、1997年に心臓発作で急逝した。アメリカ、コネチカット州ハードフォードのトリニティカレッジを1975年に卒業し、ボストン大学大学院の科学哲学科に入り、1977年には妻レベッカ・ジョーンズと結婚した。1977年からはスコットランドのエジンバラ大学に留学し修士号を取得した。帰国後に、デカルト思想に19世紀の「心の科学」成立の起源を認める博士論文をボストン大学に提出した。学位取得後はミネソタ大学、ニューヨークの「インディペンデント・ソーシャル・ジャーナリズム研究所」に勤務し、1984年からはフィラデルフィア州のドレクセル大学の教員となった。その後、医師となった妻の勤務先に近いペンシルベニア州ランカスター市のフランクリン・マーシャルカレッジに移り最後までそこで教員をした
佐々木正人[ササキマサト]
1952年北海道生まれ。1980年筑波大学大学院博士課程心身障害学専攻中退・教育学博士。東京大学大学院情報学環・教育学研究科教授
柴田崇[シバタタカシ]
1969年岡山県生まれ。2005年東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院総合文化研究科21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター(UTCP)」研究拠点形成特任研究員
高橋綾[タカハシアヤ]
1976年広島県生まれ。2006年東京大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。現在、独立法人身体障害者リハビリテーション学院在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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