内容説明
本書は、松尾谷の歴史展開を、一山寺院松尾寺の寺院社会の展開をひとつの軸とし、山と人びとの生活をもうひとつの軸として叙述していくこととした。松尾谷では、人びとの生活は山の恵みと深く結びついており、村むら間の秩序も、また松尾寺と周辺の村むらとの関係も、山をめぐって形成されてきた。それゆえ、2つの軸は密接に絡み合っていたといえよう。
目次
序 松尾谷の村むらと松尾寺
第1部 松尾の「山寺」から寺院社会へ(いにしえの松尾谷と山寺;顕密寺院への転生と松尾谷の村むら;中世社会の変容と松尾寺・松尾谷;一山寺院の成熟と寺院社会;霊空爪髪塔一石五輪塔群)
第2部 松尾寺と山間の村むら(松尾寺と松尾寺村;山林と松尾谷の村むら;山間の村の生活)
第3部 松尾谷地域の近現代(明治期の松尾寺;南北松尾村の成立と大字;綿織物業の隆盛と松尾谷の変貌;松尾谷の戦後)
むすび 松尾谷の「歴史的現在」