感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
45
作者の生み出したカップルが紡ぐ二重構造のラブロマンス。障壁のある恋愛関係の物語は、創造主であるペダンチックな二人組と相互に影響を及ぼし合い、遂には誰も予想できないような展開を見せる。陳腐でありきたりな不倫のメロドラマが、まさかあんな形に姿を変えるとは。インドネシア発、高度で複雑な科学的思考の上に織りなされる、ユニークで実験的な恋愛小説。未だかつて体験したことのない不思議な読書だった。なんと全六部作とのことで、全てが邦訳されることを願い、次巻を楽しみに待ちたいと思う。2021/10/08
タカラ~ム
7
現代インドネシアを代表する作家のデビュー作品。自費出版で7000部刊行されて2週間で完売し、その後シリーズ第6巻まで刊行された。日本では「珈琲の哲学」と言う短編集が翻訳刊行されている。本書は同性カップルのディマスとレウベンが執筆する小説内小説と構造になっているのだが、読んでいくとその構造が次第に曖昧という感覚になってくる。その感覚が個人的には面白かった。2001年の刊行のインドネシア文学という中で同性カップルだったり不倫恋愛が描かれたりするのも印象的。ぜひ第6巻まで継続して翻訳されてほしい。2022/01/07
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- 和書
- 介護現場歴20年。