内容説明
日本の「地方自治」が歩むべき道筋を指南!道州制や大都市制度、原発問題にまで踏み込んだ初めての書。
目次
第1講 自治の原型と発展
第2講 協働と参加の住民自治
第3講 地方分権改革の流れと路線
第4講 市区町村計画の策定
第5講 自治体職員の役割と心構え
第6講 道州制構想と大都市制度再編構想についての私見
第7講 東日本大震災に想う
第8講 地域の振興と成熟―原発事故に鑑みて
著者等紹介
西尾勝[ニシオマサル]
1938年生まれ。東京大学法学部教授、同学部長、国際基督教大学教授を経て、2006年4月から(財)東京市政調査会(12年4月に(公財)後藤・安田記念東京都市研究所に改称)理事長。専門は行政学・地方自治論。95年から地方分権推進委員会委員・行政関係検討グループ座長を務め、第1次分権改革を推進。第27次・第28次地方制度調査会委員、地方分権改革推進委員会委員(委員長代理)、地方行財政検討会議構成員(第一分科会主査)などを歴任。現在、第30次地方制度調査会会長。21世紀臨調共同代表も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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awe
7
「自治・分権最高!」ではなく、むしろその拡充路線を「再考」すべきではないか、という趣旨の本。行政学の泰斗である故・西尾勝が全国各地の自治体職員向けに行った講演を編集したもの。◆日本における自治と支配を根源から考え直すということで、江戸時代の藩政村と自然村のあり方まで遡って議論が展開されるのが1講。こうした理論的な話から、筆者が地方分権改革に携わったときの話、原発問題など話題は多岐にわたるものの、そこに通底するのは、筆者の現実的な改革志向である。つまり基礎自治体、広域自治体、国がそれぞれ何を為すべきかを整理2023/07/30
Ra
3
※7年ぶりに再読。「自治体は国家を構成する部分団体にすぎないという、「本分を弁え、本分を守り、本分を尽くす」ように努めることが大切」2024/06/16
yuko
3
第1次分権改革の際の心の高揚は、今でも忘れることはできない。それは、自己決定・自己責任という言葉とともに、私の背中を押し続けてくれている。反面、財源は伴わず、規律密度の高い法令に苛立ちを感じる日々。何より、国の出す通達は技術的助言に過ぎないはずなのに、自主的解釈に消極的な風土を変えられない自分の力のなさが悔しくて…。この本を読み進めるうちに、やりたい仕事が沢山見えてきた。西尾先生の「それぞれの自治体の現場で自治の実践の質を高め、自治の本領を発揮してほしい。」という言葉が心に染みる。2014/12/28
Joecalme
1
分権改革の第一線を長く歩んでこられた著者がその歩みを振り返り、震災や原発を経た心境の変化も織り込みつつ、自治と分権に対するこだわりを語ります。「住民自治の充実こそが分権の本来の目的である」と頭の隅で思いながら、今日も団体自治の強化メニューに忙殺される…分権や権限移譲に携わる多くの職員が内心抱えるジレンマであると思います。そんなことはもうやめて住民自治の質を高めることにエネルギーを注ぎ、そのための分権を追求せよ、という分権番長の強いメッセージに、今日から何ができるかを考えさせられました。2014/11/26
たぬき
1
自治体学会ってのがあって 2000人 → 1400人 なんだそうだ 理系離れとかいう話があったが 文系離れ(?)ってのも実はあるのかなぁ という内容とは関係ない内容だが2013/10/31