出版社内容情報
雨がふるとき、ちょうちょうはどこへいくのかしら? はねがぬれたらとべないでしょうに……。静かな雨の日の、小さな生き物たちの姿を、詩情豊かに描いたロングセラー絵本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
156
雨が降っているとき、みんなどこに潜んでいるのだろう。大きな木の下、葉っぱの下、傘もささずに濡れちゃって、風邪を引かないのだろうか。探しに行きたいけれど。窓から見える景色の中には沢山の生き物がいるはずなの。少女は雨が止むのを待っています。だって雨上がりは一斉に鳥がさえずり水浴びをするし、猫は散歩をして挨拶するし、蝶々は華麗に舞うんだから。うさぎだってバッタだってみんなぴょんぴょんして。みんな喜んでいるみたい。梅雨、ずっと降っているときはどうしているの。一瞬の雨上がりに遊ぶの。自然観察への興味を引き出す絵本。2021/05/16
シナモン
123
青を基調とした絵がとても素敵。時折チラっと現れる黄色も良いアクセントになっていて一層惹きつけられます。丁寧な言葉遣いで綴られた文章はどことなく品格が漂い上質な詩集を読んでいるようでした。このレビューを書いてる今も外は雨。ちょうはどこへいってるのかな。しっとりと静かな一冊でした。2022/07/19
モリー
86
雨の日、とくに強く雨の降る日に蝶々がどこにいるのか気になったことはありませんか?私はあります。しかしながら、外に出て確かめたことはありませんでした。巣を持つ動物ならばきっとそこに戻るでしょう。猫は家に帰るでしょう。甲羅を持つ亀なら首を引っ込めるかしら。けれども、蝶々は・・・。この絵本は、子どもたちが自然の営みを不思議に思う気持ちを膨らませてくれることでしょう。気持ちが膨らめば、足が軽くなるでしょう。足が軽くなれば、外に出て自分の目で確かめてたくなるに違いありません。さて、私も外に出て確かめてよう。2021/07/03
greenish 🌿
53
【Casa BRUTUS 読み継ぐべき絵本の名作100】№045 ポツン・ポツ・ポツ。あめが ふってきたら、やさしい はねをした ちょうちょうは どこへいくのでしょう ---《Rain 物語は雨から》シャドウブルーの濃淡で優しく緻密に描かれた動植物たちが、次々と登場する絵本です。もぐら・みつばち・ことり・ねこ・へび・ばった・うさぎ・うし・あひる・さかな・かめ・・・みんな雨の日は大丈夫。だけど、ちょうちょうは? 答えのないこのお話を聴いている子どもたちの、好奇心に満ちあふれた瞳が目に浮かぶようです。2013/11/24
chiaki
44
小さい頃、雨が降ると野良犬や野良猫を心配しては母に「賢いから屋根のあるとこにおるんよ。」と言って慰めてもらっていました。本書を読んでそんな記憶がぼんやりと蘇りました。見開きいっぱいに描かれた淡く美しい雨の世界。ブルーグレーに黄色が映えてとても素敵。しっとりとした優しい文章にも、語りかけてくれてるような安心感があります。幼年期~低学年さんに雨の日は雨音を聞きながらゆっくりと語りかけるように読んでみたい。2021/01/07