出版社内容情報
論理の飛躍なく、最短で核心へ。理工系学生のための複素関数論
東京大学工学部での約10年にわたる講義実績に基づく、理工系学部2~3年生のための複素関数論の入門書です。大学1年の実解析を履修済みの読者を対象に、最短経路で理論の美しさと実用的な応用へと導きます。
本書は、数学科向けの過度に抽象的な議論は避けつつも、定義と証明を省略せずに記述する「自己完結」した構成を徹底しました。特に、類書で散見される「グリーンの定理を用いたコーシーの積分定理の証明」という循環論法的な説明を排し、初学者が躓かないよう厳密かつ明快な論理展開を実現しています。
内容は複素数平面の基礎から始まり、正則性、冪級数、留数定理を用いた実積分の計算、さらに解析接続(ガンマ関数・ゼータ関数)までを網羅。さらに、物理学や工学の現場で必須となるフーリエ変換・ラプラス変換への応用も補講として丁寧に解説しました。
他の教科書を参照せずともこの一冊で完結するよう設計されており、「必要最小限の事項を、スッキリと深く理解したい」と願う学生や、数理物理・工学の基礎を固めたい読者に最適な一冊です。
【目次】
第1回講義 複素関数とその微分可能性
1.1 複素数と複素平面
1.2 実1変数関数の復習
1.3 実2変数関数
1.4 複素関数
1.5 複素関数の微分
1.6 等角写像
1.7 分岐とリーマン面
第2回講義 冪級数
2.1 複素数の数列
2.2 複素数列の級数
2.3 級数収束の判定法
2.4 冪級数
2.5 冪級数の項別微分と項別積分
2.6 冪級数の一様収束性
第3回講義 複素関数の積分
3.1 複素積分の定義
3.2 コーシーの積分定理と積分路の変形
3.3 コーシーの積分公式と平均値の原理
第4回講義 テイラー展開とローラン展開
4.1 テイラー展開と微分の公式
4.2 リュービルの定理と代数学の基本定理
4.3 ローラン展開
4.4 特異点の分類
4.5 無限遠点とリーマン球面
第5回講義 実積分や級数への応用
5.1 留数定理
5.2 実関数の積分の例
5.3 級数評価への応用
5.4 偏角の原理とルーシェの定理
5.5 無限遠点における留数
5.6 コーシーの主値積分
第6回講義 解析接続
6.1 一致の定理と解析接続
6.2 ガンマ関数
6.3 スターリングの公式
6.4 ベータ関数とその性質
6.5 リーマンのゼータ関数とその性質
第7回講義 補講:フーリエ・ラプラス変換
7.1 フーリエ級数
7.2 フーリエ変換
7.3 ラプラス変換
付録A フビニ・トネリの定理
A.1 積分の順序変換
A.2 積分と和の順序交換



