出版社内容情報
4次元多様体のレフシェッツ束に関して初めて日本語で書かれた専門書
4次元多様体の不変量(ゲージ理論に由来するドナルドソン不変量やサイバーグ・ウィッテン不変量など)に関する日本語の専門書はいくつか存在するが、4次元多様体の構成法に主眼をおいた日本語の専門書は非常に少ない。また、レフシェッツ束の基礎事項を本書ほど詳細に解説した本は、洋書を含めても知られておらず、4次元多様体のカービー図式とカービー計算に関しても、本書より詳しく解説した和書は存在しないだろう。
本書の後半には、ここ10年ほどの間に得られた最新の研究成果を盛り込んでいる。特に第6章には、著者の早野が2019年度日本数学会賞建部賢弘特別賞を受賞した際の受賞業績をまとめている。
これらの理由から、本書は多くの研究者にとって有用な本であるほか、数学を専攻する学部生や大学院生、数学愛好家にも読んでほしい一冊である。
(一部フルカラー)
目次
第1章 多様体論からの準備
第2章 レフシェッツ束とモノドロミー
第3章 4次元多様体のカービー図式
第4章 4次元多様体のトポロジー
第5章 モノドロミー置換と多様体の改変
第6章 レフシェッツ束の多重切断とシンプレクティックトポロジー
第7章 いくつかの関連する話題
著者等紹介
遠藤久顕[エンドウヒサアキ]
1997年大阪大学大学院理学研究科数学専攻博士後期課程修了。現在、東京工業大学理学院数学系教授、博士(理学)。専門、位相幾何学(トポロジー)
早野健太[ハヤノケンタ]
2013年大阪大学大学院理学研究科数学専攻博士後期課程修了。現在、慶應義塾大学理工学部数理科学科准教授、博士(理学)。専門、低次元トポロジー、可微分写像の特異点論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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