出版社内容情報
Daniels(1954)は、標本平均の密度関数および分布関数の近似に鞍点近似法を用いて、非常に高い精度で近似値が得られることを示し、統計学への鞍点近似法の有用性を切り開いた。その後、英国とデンマークの人々によって研究が発展していった。多変量正規母集団に基づく多変量解析の分布理論では、Zonal多項式を用いた超幾何関数によって各種統計量の積率や検定力関数が表示できるようになった。しかし、Zonal多項式の複雑さと級数和の収束が遅いことにより、数値計算が困難であった。そのようななか、Butler等(2002)による超幾何関数のLaplace近似という「ブレーク・スルー」により容易に数値計算ができるようになった。本書は、鞍点近似法とLaplace近似法の適応による多変量解析の分布理論の発展をまとめたものである。
目次
第1章 鞍点近似
第2章 Laplace積分
第3章 多変量分布の鞍点近似
第4章 指数分布族
第5章 超幾何関数のLaplace近似
第6章 多変量解析
第7章 共分散に関する検定
第8章 検出力関数
付録
著者等紹介
早川毅[ハヤカワタケシ]
1962年名古屋大学理学部数学科卒業。同年文部省統計数理研究所入所。2011年日本統計学会賞受賞、2016年富士大学名誉教授。理学博士(東京工業大学、1973)。専門、数理統計学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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