出版社内容情報
本書は大学の理科系学部生を対象とした微分積分学入門である。極限の厳密な定義から出発し,一変数の微積分を丁寧に解説した後,多変数の微積分の基礎まで進む。本書の全体的な方針は次のように要約できる:
抽象的な概念や定理が出てくるごとに,それらの意味を,具体例を通じ一歩一歩踏み固めながら進む。また,練習問題を通じ,読者自らが頭と手を動かし,概念や定理の使い方に慣れ親しめるようにする。
また,本書の特徴として次の点を挙げる:
厳密性,一般性をできるだけ確保すると同時に,抽象論に偏らず,できるだけ早い段階で具体例,特に指数関数,三角関数などの代表的初等関数を導入し,それらを丁寧に論じる。
厳密な論理の美しさが分かりやすく伝わるように工夫すると同時に,応用分野との関連,微積分学の歴史にも適宜触れる。初学者から教員まで,様々な目的で本書を手にとられる方々が,それぞれの立場で楽しんで頂ける本である。
目次
準備
連続公理・上限・下限
極限と連続1
多変数・複素変数の関数
級数
初等関数
極限と連続2―微分への準備
一変数関数の微分
極限と連続3―積分への準備
積分の基礎
微積分の基本公式とその応用
広義積分
多変数関数の微分
逆関数・陰関数
多変数関数の積分
収束の一様性
著者等紹介
吉田伸生[ヨシダノブオ]
1991年京都大学大学院理学研究科博士後期課程(数学専攻)中退。現在、名古屋大学大学院多元数理科学研究科教授。京都大学博士(理学)。専門、確率論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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