出版社内容情報
「佳人薄命」「笑う門には福来る」など世間には人の心に関する多くの言説がある。それらはどこまで真実なのだろうか? 多くの人たちが一度は抱くこうした疑問に対して,近年の心理学的研究の中には,これに答えられそうなものを見出すことができる。本書では,心の言説に関する7つのテーマを取り上げ,心に関する最新の科学的研究をもとに,その真実性を吟味する。
本書は単なる教養書を超えて,心の科学的研究の方法を指南する。研究の成果だけではなく,研究の具体的なやり方,手続き,統計的分析方法をできるだけ詳しく紹介し,「心を科学する」とは,実際にはどのように行われるのかを読者にイメージしてもらえるよう工夫している。これによって,文系,理系を問わず,人間の心や行動の研究に関心を持つ学部・大学院の学生たちに対しても,その関心に応えられるものとなっている。
目次
第1章 心の持ち方は、健康と寿命に影響するのか
第2章 心の特性から社会的成功を予測できるか
第3章 男と女の人間関係:男女の心はどう違うのか
第4章 自由意志はどこまで自由か
第5章 人の行動はどこまで遺伝の影響を受けているのか
第6章 犯罪者の更生は可能か:性犯罪者処遇プログラムの効果をめぐって
第7章 民族紛争の解決は不可能なのか
著者等紹介
大渕憲一[オオブチケンイチ]
1977年東北大学大学院文学研究科博士後期課程中退。現在、放送大学宮城学習センター所長・特任教授、博士(文学)。専門は社会心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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