化学の要点シリーズ
層状化合物

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  • サイズ B6判/ページ数 103p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784320044166
  • NDC分類 431.12
  • Cコード C3343

出版社内容情報

層状化合物とは,文字どおり層をなす化合物群という意味で,最先端の光エネルギー変換材料やドラッグデリバリーシステム(DDS)材料,日用品の紙,鉛筆の芯に至るまで幅広く活躍している。層状化合物が生命の発生に深くかかわっていたと主張する学者も多い。層状化合物は,基礎学問から見ても,最先端の応用材料の視点から見ても,極めて興味深い素材であり,その特徴について必ず学ぶべき化合物群である。
 本書では,層状化合物の中でも主に粘土鉱物に焦点を当て,層状化合物の特徴,代表的な層状化合物,層状化合物の基本的性質,層状化合物が機能を発揮するための挙動,層状化合物の働きについてまとめた。コラムからは,生命の起源や新材料の話題といったさまざまなトピックスを通して広く層状化合物の世界に触れることができる。また,層状化合物とタンパク質との対比など,これまでにはない切り口による記述と,層状化合物の特徴を大胆に示した概観により,初めて層状化合物の分野に触れる読者にとっても新鮮な興味をかきたてられる1冊となっている。

第1章 はじめに
1.1 層状化合物とは
1.2 身の回りにある層状化合物
1.3 層状化合物と次元性
1.4 層状化合物が提供する柔軟な反応場
1.5 層状化合物とゼオライト
1.6 層状化合物とタンパク質

第2章 層状化合物の分類と構造
2.1 層状化合物の分類
2.2 代表的な層状化合物の構造とその特徴
2.3 層状化合物の表面,層間の修飾
2.4 構造決定法

第3章 層状化合物の基本的性質
3.1 組成式の理解と電荷発生の起源
3.2 結晶構造
3.3 イオン交換容量
3.4 電荷の分布
3.5 表面積
3.6 電荷密度,電荷間距離
3.7 層の動的挙動

第4章 層状化合物をホスト材料とする複合体形成
4.1 複合体形成に働く力,吸着力の起源
4.2 ゲスト分子のインターカレーション
4.3 具体的な複合体形成挙動
4.4 層状化合物の次元交換

第5章 層状化合物の機能
5.1 “変える”:分子の性質を制御・改変する機能
5.2 “並べる”:分子を配列・配向させる機能
5.3 “見分ける”:立体選択的微小空間としての機能
5.4 “隔てる”:空間を隔てる機能
5.5 “反応させる”:触媒機能など
5.6 “応答する”:光機能性材料
5.7 化学反応場としての層状化合物

目次

第1章 はじめに(層状化合物とは;身の回りにある層状化合物 ほか)
第2章 層状化合物の分類と構造(層状化合物の分類;代表的な層状化合物の構造とその特徴 ほか)
第3章 層状化合物の基本的性質(組成式の理解と電荷発生の起源;結晶構造 ほか)
第4章 層状化合物をホスト材料とする複合体形成(複合体形成に働く力、吸着力の起源;ゲスト分子のインターカレーション ほか)
第5章 層状化合物の機能(“変える”:分子の性質を制御・改変する機能;“並べる”:分子を配列・配向させる機能 ほか)

著者等紹介

高木克彦[タカギカツヒコ]
1971年名古屋大学大学院工学研究科応用化学専攻博士課程修了。現在、神奈川科学技術アカデミー研究顧問兼有機系太陽電池評価プロジェクトリーダー、名古屋大学名誉教授工学博士。専門、有機光化学

高木慎介[タカギシンスケ]
2003年東京都立大学大学院工学研究科応用化学専攻論文博士。現在、首都大学東京大学院都市環境科学研究科准教授。博士(工学)。専門、光化学、ナノ構造化学、材料化学、無機有機複合系の化学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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