イスラーム世界の奴隷軍人とその実像―17世紀サファヴィー朝イランとコーカサス

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  • サイズ A5判/ページ数 402p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750329437
  • NDC分類 226.3
  • Cコード C0022

内容説明

本書は、17世紀のイランで活躍したエリート軍事集団グラームと、その母体になったコーカサス出身者の歴史的活動を追うものである。彼らは、サファヴィー朝のフロンティア政策の結果、王朝政治の中心部にその活動の場を見出すことになった。彼らの知られざる歴史的活動をペルシア語やグルジア語等の史料を利用して再構成しつつ、国民国家史やイスラーム世界史といった「境」を構築する従来の歴史学を乗り越え、辺境史の統合による相互変容の新しい地域史の叙述を試みている。

目次

序章 「境界」を越えた人々の歴史を追って
第1章 コーカサス出身者登用の始まり
第2章 グラーム導入による政治体制の革新
第3章 奴隷軍人の実相
第4章 グルジア系グラーム四家系の社会的出自に関する考察
第5章 アッバース一世の対コーカサス政策―「異人」登用の実像
第6章 二重の周縁―故郷に帰還するコーカサス出身者
附編 史料解題(1)
附編 史料解題(2)『歴史の精華』第三巻の発見とその意味

著者等紹介

前田弘毅[マエダヒロタケ]
1971年東京生まれ。1995年東京大学文学部東洋史学科卒業。2003年東京大学人文社会系研究科博士課程単位取得退学。在学中、平和中島財団日本人奨学生としてグルジア科学アカデミー東洋学研究所に留学。博士(文学、東京大学)。東京大学および東洋文庫にて日本学術振興会特別研究員を務めたのち、北海道大学スラブ研究センター専任講師。他に上智大学、北海学園大学、日本大学で非常勤講師等を経て、大阪大学世界言語研究センター特任助教・北海道大学スラブ研究センター客員准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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人生ゴルディアス

4
有名なマムルークの本ではない。サファヴィー朝イランにて「グラーム」と分類される、奴隷とも隷属民とも、単に従属する者たちという意味で、時に権力者に仕えるための卑下の言葉として用いられる人々の分析。定説によるとマムルークのように戦争捕虜だったり売買されて奴隷になって、故郷から隔絶された特殊な忠臣集団であったとされるが、著者は実際にグラームの人々の背景や親族関係などを調べることで、定説とは異なると例証していく。のだが、延々家系の話とか続いて辛かった。2023/12/24

宵子

1
最近、マムルークに関心があるので読んでみた。サファヴィー朝ペルシャにおけるコーカサス出身の軍人との関わりについて述べたもの。コーカサス出身とあるが、その多くはジョージア/グルジア人である。ただし、私はサファヴィー朝の知識があまりないので、その辺を勉強してから読まないと、真の意味が理解できなかった。またこの本の特出すべき点は参考資料の解説が詳しいところである。2016/02/14

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