TRONを創る

TRONを創る

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  • サイズ A5判/ページ数 220p/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784320023666
  • NDC分類 007.63

出版社内容情報

【解説】
昭和62年度電子情報通信学会著述賞を受賞。 一貫した設計構想のもとに開発が進められているTRONの全貌を設計者自身が技術的に解説した。


●内容
TRON とは"The Realtime Operating System Nucleus"(実時間処理に適したオペレーティング・システムの核) の略である。しかし,TRON プロジェクトは単にOSを作るというだけのプロジェクトではなく,90年代(これから)の技術水準をにらみながら,VLSI,OS,コンピュータと人間との付き合い方のルールであるマンマシン・インタフェースまでも作り直すという壮大なプロジェクトである。製品ができてから対応する社会デザインが行なわれるといった従来の科学技術の導入ステップではなく,TRON ではまず社会デザインを行なってからそれを製品の開発にフィードバックしようとしている。このような点や,個々の性能向上や技術進歩だけでは解決できない,従来の統一的に作られていなかったためのコンピュータの歪みに対して,コンピュータ産業全体としての調整を行なうことにより対処しようとしていること,さらに21世紀の社会を前提とし,コンピュータをコミュニケーションの道具ととらえて,多国語やマルチメディアなどの機能を持たせていること,など多くの新しい概念をTRON プロジェクトは含んでいる。本書は主にエンジニアのためのTRON の入門書である。TRON プロジェクトがどのような技術的な問題点の把握を出発点としているのか,またコンピュータ周辺の技術をどのように見ているのか,といったことについて突っ込んだ記述をしている。

●目次

第1章 TRON の誕生
・ないからやろう
・独自技術
・使いやすさに重点
・参考文献

第2章 デスクトップのデザイン
・紛争
・オペレーティング環境
・TRON では
・素人はこわい
・新しいモデル

第3章 ダイナミック・ドキュメント
・はじめに仮身ありき
・ペーパーレス
・コンピュータは紙を目指す
・紙を超えて
・動的な文書
・実身/仮身モデル
・従来のモデルとの関係
・システム・アプリケーション
・データとアプリケーション
・データ互換性
・お回し

第4章 精神運動としてのRISC
・騒動
・バークレイ
・ヨークタウンハイツ
・スタンフォード
・反対者たち
・あって無いような定義
・IBM RT/PC
・HP Precision Architecture
・MIPS社 R2000
・孫悟空はお釈迦さまの手のなかに
・素朴な疑問

第5章 アーキテクチャとTRON チップ
・アーキテクチャのむずかしさ
・64ビット
・TRON はSISC
・アーキテクチャと特許問題
・命令フォーマット
・I TRON,B TRONのサポート命令
・ビットマップ命令
・コンパイラ向きのアーキテクチャ

第6章 部品としてのコンピュータ
・マイクロプロセッサと制御装置
・リアルタイムOS
・ I TRON のアーキテクチャ
・リアルタイムOSに対する要求
・設計方針
・I TRONまわりの話題

第7章 インターミッション
・その1―ソフトウェアの値段
・その2―UNIX に関して
・その3―Macintosh について

第8章 MTRON
・分類,ふたたび
・コンピュータ化した社会
・M TRON:Macro-TRON
・コンピュータの社会
・コンピュータによる社会
・M TRON の実現
・どのような便利なことがあるか
・オープン・クエッション

第9章 TRON キーボードについて
・キーボード一言居士
・キーボードにこだわる
・TRON における日本語入力方式
・人間工学
・TRON キーボード
・TRON キーボード設計作業の実際

第10章 μ BTRON
・アーキテクチャ体系としての「~TRON」
・コンピュータとは何か
・μ BTRON の必要性
・専用機としてのμ BTRON
・三つのコミュニケーション
・電子文房具としてのコンピュータ
・ブングウェア

第11章 メインフレームへの挑戦
・※-TRON
・C TRON 誕生
・C TRON の設計とI TRON
・なぜC TRON か
・メインフレームかAI か

第12章 科学と文化をつなぐTRON
・1986年を振り返って
・ほめるのが先か,成果が先か
・TRON 赤十字論
・科学か文化か
・TRON のドグマ
・社会とのつながり
・名刺の科学面






内容説明

TRONとは“The Realtime Operating system Nucleus”(実時間処理に適したオペレーティングシステムの核)の略である。しかし、TRONプロジェクトは単にOSを作るというだけのプロジェクトではなく、90年代(これから)の技術水準をにらみながら、VLSI、OS、コンピュータと人間との付き合い方のルールであるマンマシン・インタフェースまでも作り直すという壮大なプロジェクトである。本書は主にエンジニアのためのTRONの入門書である。TRONプロジェクトがどのような技術的な問題点の把握を出発点としているのか、またコンピュータ周辺の技術をどのように見ているのか、といったことについて突っ込んだ記述をしている。

目次

第1章 TRONの誕生
第2章 デスクトップのデザイン
第3章 ダイナミック・ドキュメント
第4章 精神運動としてのRISC
第5章 アーキテクチャとTRONチップ
第6章 部品としてのコンピュータ
第7章 インターミッション
第8章 MTRON
第9章 TRONキーボードについて
第10章 μBTRON
第11章 メインフレームへの挑戦
第12章 科学と文化をつなぐTRON