出版社内容情報
災害対応と近現代史の関係を探求した社会情報学の新展開
本書の特長は、デジタルアーカイブや質的データ分析を活用しながら、災害対応を歴史や社会を考えるツールとしようとしたことである。第Ⅰ部「災害対応を通じて社会状況・構造をながめる」では、中世ペスト、ロンドン大火、リスボン地震、関東大震災、太平洋戦争、東日本大震災・福島原発事故といった巨大災害を扱い、前後の社会状況・構造との関係性を探索した。第Ⅱ部「質的データ分析による探索」では、インターネット検索、日米の新聞記事、日米の専門家へのインタビュー、思想や映画との関連から、東日本大震災の社会的影響や災害の社会的意味づけについて考察を重ねた。
巨大災害の時代を迎えた現在、災害と歴史や社会との関係性や、災害の社会的意味づけを考えていくことが求められている。災害対応に興味がある方だけでなく、広く日本研究や現代社会に関心を持つ多くの学生や社会人の方々に手にとっていただき、災害や危機を通じた人間や社会の変化・移行について考えるきっかけとなることを願っている。
ハーバード大学日本災害デジタルアーカイブ特設ページ
https://jdarchive.org/ja/resources/research/sato-collections
目次
プロローグ
第1部 災害対応を通じて社会状況・構造をながめる(歴史的な世界の巨大災害;近代日本と災害対応の歴史;戦後日本と防災の歴史;東日本大震災と平成時代の終焉)
第2部 質的データ分析による探索―東日本大震災に関する記録や語りを辿る(東日本大震災についてメディアに記されていたこと;日米専門家たちは何を語ったのか?;災害と思想や文化の関連)
著者等紹介
佐藤慶一[サトウケイイチ]
1978年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。慶應義塾大学大学政策・メディア研究科後期博士課程修了、博士(政策・メディア)。東京工業大学都市地震工学センター研究員、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センター助教、准教授を経て現職。2021~22年、ハーバード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所客員研究員。現在、専修大学ネットワーク情報学部教授。国立研究開発法人防災科学技術研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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